兵庫県相生(あいおい)市の名物はカキだ。今回は相生の有名なカキの直売所のすぐ近くにある瀬戸内海の絶景を堪能できる秘境、金ヶ崎へのお手軽トレッキングを紹介する。

兵庫県相生市、カキの直売所が集まる鰯浜から金ヶ崎へ至る海沿いの遊歩道

 万葉の岬展望台は、瀬戸内海に突き出た小さな半島の上にある。今回の目的地である金ヶ崎は半島の先端。有名なカキの直売所がある鰯浜(いわしはま)は半島の付け根だ。

金ヶ崎への散策ルート。赤線が今回通ったルート(国土地理院地図より引用)
金ヶ崎から見える島々(国土地理院地図より引用)

 金ヶ崎へは鰯浜から海沿いの遊歩道を伝っていくルートと、万葉の岬展望台から行くルートの2つ。今回は万葉の岬展望台ルートから金ヶ崎へ赴いた。

■万葉の岬展望台

万葉の岬展望台からの眺望

 万葉の岬展望台は標高143m地点にある、瀬戸内海が180度展望できる絶景のドライブデートスポット。なぜここが万葉の岬と呼ばれるかというと、奈良時代初期の歌人、山部赤人(やまべのあかひと)によって詠まれた歌が万葉集に収録されているからだ。

万葉の岬展望台にあるつばき園の看板
万葉の岬展望台のつばき園

 展望台からは、家島諸島などの瀬戸内海の島々が見渡せる。また広い芝生の丘にはいくつもベンチがあるので、絶景を楽しみながらゆっくり過ごせるのもいい。なお、ここは相生市とたつの市の市境であり、東半分がたつの市、西半分が相生市になる。

■標高143mの万葉の岬展望台から標高0mの金ヶ崎へ

万葉の岬展望台から金ヶ崎への散策路入口
金ヶ崎への散策路は道がはっきりしていて迷うことはない

 金ヶ崎へは万葉の岬展望台から道標に従い、標高0mの金ヶ崎まで650mの道のりを下山する。

金ヶ崎への散策路では、木々の間から少しだけ海が見える場所もある
散策路唯一の分岐。直進すると直接金ヶ崎へ、右折すると海沿いの遊歩道経由で金ヶ崎へ

 コースはほぼ一本道。道もはっきりしており、道標も多いため道に迷う心配はない。ただ道程の2/3程度の地点で1か所だけ分岐がある。ここを直進すると直接金ヶ崎へ下る道、右折するといったん海沿いの遊歩道に下りてから金ヶ崎に至る道だ。どちらへ進んでもよいのだが、今回は直進した。

金ヶ崎への散策路は、最後の100mくらいで急に視界が開ける
崖を下る急な階段を下りきると、標高0mの金ヶ崎

 コースは全般的に眺望がない。しかし最後の100mくらいで急に視界が開け、眼下に広がる瀬戸内海を見渡しながら下る絶景ルートとなる。そして崖を下る急な階段を下りきると、標高0mの金ヶ崎に到着だ。

金ヶ崎に到着
金ヶ崎から家島諸島を遠望する

 金ヶ崎は背後に崖、真正面には瀬戸内海が広がっている秘境感あふれる場所。標高0mの遊歩道から見るせいか、目の前にある君島や家島諸島も万葉の岬展望台から見るより迫力を感じる。

金ヶ崎の真正面にある君島
金ヶ崎遊歩道

 なお、行きは下りで楽だが、帰りが登りというのは少々気が重い。そのせいかたった650mの道のりで、標高差143mしかないのに帰路はかなりの疲労感を感じた。普通の登山とは逆の行程というのは調子が狂うものである。

 ちなみに万葉の岬展望台から金ヶ崎まで、ゆっくり歩いて15分、帰路は20分程度だ。

金ヶ崎からの帰路は登り。気分的に疲労感が増す
金ヶ崎遊歩道は高波注意
瀬戸内海の秘境スポット金ヶ崎

 ところで筆者が金ヶ崎を訪れた日は少し風が強い日で、遊歩道に波しぶきが飛んでくることもあった。恐らく波の高い日は、遊歩道に波が押し寄せてきて危険だろう。天候が悪い日には、金ヶ崎行きは見合わせたほうがよさそうだ。

■帰りは相生名物のカキを堪能しよう!

相生名物カキの直売所が集まる鰯浜
相生名物カキの直売所が集まる鰯浜。どこも派手な店構えでないのが余計にうまそうな雰囲気

 相生はカキの名産地である。万葉の岬の麓にある鰯浜もカキの直売所が集まっている有名な場所。また、周辺にもカキの食べ放題を堪能できる店がたくさんある。

 万葉の岬展望台、金ヶ崎に立ち寄った帰りには相生名物のカキを食べたり、土産に買って帰るのもおすすめだ。

●【MAP】金ヶ崎(万葉の岬 海岸遊歩道)

●【MAP】万葉の岬

●【MAP】鰯浜