■2日目:硫黄岳山頂を目指す
赤岳鉱泉でよく眠ったら、今度は硫黄岳に登ろう。筆者が苦手とするやせた尾根もなく登って行けるありがたい山だが、強風が吹き付け凍傷になることがあるので、バラクラバ(目出し帽)をしっかりかぶり、ゴーグルや手袋で外気に触れる部分を覆う。肌を露出させないことがポイントになる。赤岳鉱泉で既に強風を感じる場合は特に、同行者とお互いに肌の露出チェックをしてからでかけよう。
赤岳鉱泉から硫黄岳まで標高差約500mを上る。雪山は「冷え」を極力回避して汗をかかないようにゆっくりと登るのがポイントだ。晴天で穏やかな気候に見えても、マイナス10℃を下回る過酷な環境下だと常に意識しておくことが大事だと思う。
硫黄岳山頂付近は広く、北東部に向かって以前の噴火で出来た爆裂火口が大きく口を開けている。この噴火時には麓まで溶岩が流れ甚大な被害があったとされるが、実際に大きくえぐり取られた山肌を見ると、今になってもその噴火の凄まじさを感じられる。
■冬山の準備は万全に
南八ヶ岳は彫刻のように美しい! と筆者は思う。実はこの記事を書いている次の週末も八ヶ岳に宿を取っており、楽しみでたまらない。またあの誰かが作った彫刻のような素晴らしい芸術品に会いたいと思っている。
下着や手袋等の防寒具など、それから電池など細かな部分まで入念に準備をしよう。天候や体調など不安点があれば入山はあきらめる。入山したら必ず無事帰宅することを守り、最大限の努力をすること。氷に包まれてキラリと光る八ヶ岳をぜひ見てきてほしい。
【今回のルート所要時間】
1日目:八ヶ岳山荘→(3時間半)→行者小屋→(1時間)文三郎尾根折り返して行者小屋→(30分)→中山乗越展望台→(40分)→赤岳鉱泉(泊)
2日目:赤岳鉱泉→(1時間半)赤岩頭→(15分)→硫黄岳→(40分)→赤岳鉱泉→(3時間半)北沢を経て八ヶ岳山荘
●【赤岳鉱泉】
住所:〒391-0213 長野県茅野市豊平
電話番号:090-4824-9986