■沖縄の島々で出会った島猫たち
島猫を追いかけながら過ごしたこの5年の間に、島々の風景はずいぶんと変わった。
町中から少しずつ空き地が消え、筋道が消え、そこにあった小さな商店や懐かしい民家が消えていく中で、薄れつつあるその土地ならではの空気感を、町の隙間で生きている猫たちだけが今でも色濃くまとっている。
どんなものも、いつまでも同じではいられない。変わっていくことは必然だ。
それでも、できることならばいつまでもこのまま変わらずにいてほしいと願ってしまうものがあり、道端や軒先に猫がいる島の風景は、間違いなくそのひとつだ。
コザの銀天街。小さな黒猫の後をついていったら、食堂のテーブル下に母猫が隠れていた
糸満公設市場いとまーるの駐車場前。窓枠にはまり、完全に風景の一部になっていたサビ猫
黒島の食堂ですり寄ってきた黒白猫。この島では、猫よりも牛の数の方が圧倒的に多かった今回は、2022年12月に沖縄の島々で出会った島猫たちをご紹介した。
これまでに出会った、すべての島猫たちへの敬意と感謝を込めて。
写真・文/シマネコキネマ