■冬キャンプの地獄エピソード

●寒さが厳しい

 冬キャンプの一番の地獄は、やはり「寒さ」といえるだろう。寒い中あえて外で過ごす時間は楽しいのだが、防寒対策が不十分だと寒すぎて何もする気が起きなくなってしまう。

 防寒着を着込み、ストーブを用意して焚き火に当たっていればある程度寒さはしのげるのだが、風が強く、予想以上に冷え込むと全ての楽しさが台無しになってしまう気がしている。

 寒さに対してどれくらい対策できるかが、冬キャンプを楽しく過ごせる最大の鍵。外の寒さに耐えかねて、テントやシュラフの中に引きこもったまま、という悲しい事態を防ぐためにも、カイロや湯たんぽなどを多めに持っていくことをおすすめする。

寒さが予想以上だとシュラフに引きこもって暖をとってしまうのでキャンプが楽しめなくなる

●熱々の食べ物や飲み物がすぐに冷える

寒い中熱々のカップ麺や紅茶がすぐに冷めてしまう

 寒い屋外で、温かいカップ麺やコーヒー・紅茶を飲む時間は格別だ。あえて手先が冷えるような寒さの中、自然の景色を眺めながら熱々のお手軽キャンプ飯を食べるのが冬ならではの楽しみのひとつ。なのであるが、寒すぎてすぐに食事が冷めてしまうことがしばしばある。

 沸騰したばかりのお湯で紅茶とカップ麺を用意して、急いでカップ麺をすすっている間に紅茶が温くなってしまう、なんてこともよくある。先ほどは、寒い中食べる鍋物が最高だと紹介したが、器によそった料理もどんどん冷めていくのが悩ましい。

 熱いコーヒーもあっという間に冷めてしまうので、二重構造のタンブラーを準備するなど対策をしてから冬キャンプに挑もう。

●焚き火の火の粉でダウンに穴があく

焚き火での服装に気をつけないと火の粉で穴があくことがある

 『ゆるキャン△』の主人公も言っている通り、「冬キャンプでの焚き火は最高」である。これには筆者も大いに賛成するのだが、焚き火をする際の服装には注意が必要だ。

 冬のキャンプで、ダウンジャケットを着る人は多いだろう。かさ張らずに持ち運べて羽織るだけで暖かくなるので筆者も重宝しているのだが、ダウンジャケットを着た状態で焚き火をしてしまうと火の粉で穴が空いてしまうことがある。

 筆者が友人らと冬キャンプを楽しんでいた時、友人のアウトドア仕様で高価なダウンジャケットにいくつもの穴が空いてしまう悲しい事件があった。ダウン素材だけでなく、化繊のアウターは火の粉で穴があきやすいので、難燃素材でできた焚き火エプロンやポンチョを羽織るなどの対策をしておこう。

 また、フリースやセーターで生地の表面が起毛している場合など、生地が空気を含んで燃えやすい状態になったアウターで焚き火をすると、着ている服に火がついてすぐに燃え上がる「着衣着火」の危険があるので注意したい。

 袖口などから着火するケースが毎年多く発生しているといい、腹部などから燃え出すと重度のやけどや死亡にまで至ることがある、大変恐ろしい現象だという。焚き火の際の服装は注意しておかないといけない。服の素材選びには気をつけ、万が一に備えて近くに水バケツなどを準備しておこう。

●温泉で温まった後に湯冷めする

 冷たい空気にさらされて冷えた体を温めてくれる冬の温泉は格別で、まさに「天国」の一言。これもマッチポンプ的な楽しみ方といえるが、冬キャンプでの温泉という天国体験も、一歩間違えると地獄体験になってしまう。

 筆者が冬キャンプをする際には、キャンプ場に温泉がついている、もしくは近くに温泉施設のあるキャンプ場を選ぶようにしている。しかし、風呂上がりに完全に髪の毛を乾かし、汗が引くまで室内で過ごしてから外に出るようにしないと、一気に全身が湯冷めしてしまうのだ。

 せっかく温まるために温泉に浸かったのに、余計に体が冷えてしまう地獄を筆者は何回か味わったことがある。冬場は無理に髪の毛を洗わない、湯冷めしないようにしっかり着込んで外に出るなど対策をしておこう。

■寒さ対策をしっかりして冬キャンプを楽しもう

キレイな景色を見通せるのが冬キャンプの魅力 寒さ対策をしっかりして冬キャンプを楽しもう

 人気漫画『ゆるキャン△』でも数多くの魅力が描かれている冬キャンプ。寒さを楽しむアクティビティであるとは感じているが、十分に防寒対策を施さないと楽しむどころか地獄のような危険を伴ってしまう。

 暖かい上着やストーブ、寒冷地仕様の寝袋など防寒具でしっかり寒さ対策をして、この時期しか味わえない冬キャンプの「天国」を満喫しよう。