いま、スキー場は滑るだけの場所ではなくなってきている。食事、アクティビティ、宿泊、観光などを組み合わせ、冬の旅の目的地として新しい価値観が生まれつつあるのだ。そうしたスキー場が本来もっている非日常的な空間の魅力に気がついたのは、滑らない人たち。その視点に立ち、これまでの概念を取っ払った魅惑のスノーリゾートを紹介する。滑ることに加え、雪のなかでできるさまざまな体験を経て、スノーリゾートを存分に満喫しよう。
■首都圏日帰り圏内だが、宿泊して泊まりたくなる
群馬県の沼田エリアに位置するホワイトワールド尾瀬岩鞍は、関東地方のスキーヤーにとっての魅力的な選択肢だ。
そのゲレンデは、武尊山の北側にある西山の東南斜面に広がる。関東最大級のゲレンデ面積があり、さまざまなレベルに対応した16のコースを備える。
首都圏より日帰り圏内ではあるが、できれば宿泊して滑りたい。エリアが広いこと、コースのクオリティが高いことに加え、降雪後の朝はサラサラのパウダースノーが期待できることがその理由だ。
全長1800mもある「男子国体コース」、最大斜度40度の「エキスパートコース上」など、手応えのある非圧雪斜面が充実。スプレーを撒き散らしながら、独特な浮遊感に酔うことができる。
また、2800mも続く「ミルキーウェイ」は、圧雪斜面の気持ちよさを再認識できる環境だ。
ベースエリアから、岩鞍ゴンドラスーパーウェイに乗れば上部へダイレクトにアクセスでき、滑り応えのある各コースを効率よく滑ることができる。
上級者に高い満足度をもたらす一方で、小さな子どものいるファミリー層にもしっかりアプローチしている。ソリ、チュービング、スノーストライダー、エアドームなどのアクティビティが楽しめ、スノーエスカレーターを備えた「ロックン広場」はリピーターを増やす要因だ。
関越道・沼田ICから約32kmと、首都圏から楽々日帰り圏内でありつつ、洗練された「岩鞍リゾートホテル」、リーズナブルな「岩鞍ハウス」と、ベースにはタイプの異なる2つの宿泊施設があり、温泉施設も有する。
このように、尾瀬岩鞍はスキー場に求められる要素が一通り揃った総合スノーリゾートなのだ。
今季はスキー場開場50周年の特別なシーズンであり、さまざまなスペシャルイベントが予定される。なかでも目玉は「グルメ・グランプリ」だ。直営レストラン対抗のゲレ食のナンバー1を決めるもので、投票者のなかから抽選で、来季シーズン券や岩鞍リゾートホテル宿泊券など豪華賞品が当たる。
■見どころガイド
【滑】Ride:急斜面、ロング斜面、パウダー斜面と上級者の琴線に触れるコースが揃う
尾瀬岩鞍は満足度の高いロング斜面が並ぶ。なかでも「ミルキーウェイ」は、全長2800mで平均斜度14度とゆったりしたコース。400mのファミリーコースとつながっているので、最長3200mのダウンヒルが楽しめる。また、非圧雪の「エキスパートコース上」は最大斜度、平均斜度ともに40度の超絶斜面。降雪後はパウダー派を夢中にさせる。
【遊】Play:「ロックン広場」は雪遊びを楽しめるスペース
第3クワッドリフト横に、スノーエスカレーター付きの雪遊びスペース「ロックン広場」がある。ソリやチュービングで滑ったり、エアドームのなかで飛び跳ねたりすることができる。また、スキー場内には託児所、授乳室も設置される。
【食】Food:「グルメ・グランプリ」開催で盛り上がる尾瀬岩鞍の食
本文でも触れたように50周年を迎えた尾瀬岩鞍では、「グルメ・グランプリ」を開催。これは、スキー場側の“食”に対する自信の現れだとみることもできる。カレーハウス「オクタ」、西山エリアに位置する洋食が美味な「ホルン」など複数のレストランがあり、それぞれ店舗の雰囲気が異なる。