■手軽なコースだが覚えておきたい注意点も

鶴峠の駐車場。台数に限りあり
鶴峠から鶴寝山へと向かう

 良いところばかりあげましたが、お出かけ前には以下の注意点も押さえておいてください。

 まず、体力的に楽なルートとはいえ、標高1,500m近い場所なので、この時期は朝晩、特に雨天時は冷え込みます。十分な寒さ対策はお忘れなく。

稜線上は登ってもこの程度
大マテイ山山頂。休憩や食事にどうぞ

 また、広い稜線上に広がる豊かな広葉樹の森がここを特別な場所にしているのですが、ガスが出て登山道が見えづらくなると、稜線の広さが逆に道迷いの原因にもなり得ます。仲間に頼って油断せず、登山地図やGPSアプリなどを1人ずつ、必ず携行するようにしましょう。

小菅村に続く下山路に立つトチの大木。推定樹齢は600〜650年だそうです
下山路も美しい紅葉の道が続く

 アクセスの悪さもネックです。公共交通機関は季節運行で、本数も非常に限られているので出発前によく調べてみましょう(だからこそ、静かな山だとも言えますが……)。例えば、松姫峠の場合、下り用の便はありません。もし、北側の小菅村の温泉を目指して歩いて降りる場合、下りにはそこそこ体力と時間がかかることを計算に入れておきましょう。マイカーの場合、松姫峠に停めて大マテイ山山頂で折り返してピストンするのが楽です。

 残り少ない山の紅葉シーズン、安全に気をつけてお楽しみください。

小菅村に下山すると帰り道に温泉も楽しめる

鶴峠のバス時刻表。少ないでしょ……