山梨県・大菩薩山塊にある「雁ヶ腹摺山」という山名、皆さん、読めますか?

 これ、「がんがはらすりやま」と読みます。あたりは雁や鴨が飛ぶコースになっていて、標高1,857mの山頂周辺を雁が腹を擦るように越えていったことが山名の由来だそうです。

 この山域には、他にも「牛奥雁ヶ腹摺山」、「笹子雁ヶ腹摺山」、「日影雁ヶ腹摺山」と4つも同様の名前の山が並んでいます。雁の渡りも楽じゃないですね……。

カラマツ、モミ、ツガ、サワグルミ、シオジなどの森が広がります

 周辺は山梨県全体面積の35%を占めるほどの豊かな森(地元では「恩賜林」と呼ばれているそうです)が広がることで知られていますが、美しい森と並んで素晴らしいのが“雁ヶ腹摺山山頂からの景色”です。この景色、じつは五百円札の裏面に使われている写真が撮られた場所なのです(表面は岩倉具視)。

 お札にまで選ばれたほどの絶景を一目見ようと、12月上旬に雁ヶ腹摺山へと足を運んでみました。

撮影前夜は一晩で15cmほどの積雪がありました