■三種三様のストーリー! 「ホテルニューグランド」で考案された超有名なメニュー

 みなとみらい線「元町・中華街駅」からすぐ、山下公園に隣接する「ホテルニューグランド」は、関東大震災の復興のシンボルとして建てられた、今年で開業95周年を迎える横浜で唯一のクラシックホテル。

クラシックな雰囲気のある素敵な外観

 ホテルニューグランドの1階にあるコーヒーハウス「ザ・カフェ」では、当ホテル発祥のメニューである「シーフードドリア(3162円)」と「スパゲッティナポリタン(2277円)」、「プリン・ア・ラ・モード(2024円)」を提供しています。

コーヒーハウス「ザ・カフェ」

●半分は優しさでできている「シーフードドリア」

 まずはドリアから頂きます。ドリアは一般的には重たいお料理というイメージを持っている方も多いかも知れませんが、こちらのドリアはクリーミーながらあっさりしていて、いくらでも食べられそうな上品なお味でした。探さなくても毎回スプーンに入るほどゴロゴロとエビがふんだんに入っていて、甲殻類の旨味を感じるソースがコクを出しています。

冬にぴったりのあつあつシーフードドリア
ゴロゴロとエビが入っています

 ドリアを考案したのは、初代総料理長のサリー・ワイル。ワイルは、フランスの五つ星ホテルで腕をふるっていたシェフで、メニューに載ってない料理でもリクエストがあれば即興で作って提供するほどお客様思いのシェフでした。当時、体調がよくないお客様から「何かのど越しのいいものを」、という要望に応えるため、日本人の主食であるお米を使用して作ったのがこちらのシーフードドリアです。

 バラ―タイスに甲殻類のソースを重ね、その上にオランデーズソースとベシャメルソースを合わせたクリーミーなソースを乗せた3重構造になっています。レシピは、ホタテが入るようになったこと以外、全く変わらないレシピで提供されています。

●ピュアなトマト感溢れる「スパゲッティ ナポリタン」

ピュアなトマト感を堪能できるスパゲッティ ナポリタン

 お次はこんもりと高さを出した盛りつけが特徴のナポリタンです。モチモチした太めの麺にトマトソースがよく絡んでいて、イメージしていたケチャップの味は見当たりません。酸味はなく、トマトのピュアな美味しさ溢れるソースにマッシュルームとハムがアクセントに。ベーコンは脂が多いのでハムを使っているそうです。

 ナポリタンは、戦後、ホテルの接収が解除された後、二代目総料理長の入江茂忠氏が、残された大量のパスタを活用するために考案したメニューです。米兵が、茹でたパスタにケチャップをかけて食べていたことをヒントにしつつ、市販の調味料は使わずに、生のトマトに水煮のトマト、にんにくや玉ねぎを合わせた風味豊かなオリジナルソースを完成させました。また、日本人はモチモチした食感が好きなので、麺は茹で置きをしているそうです。

●写真映えも完璧! 「プリン・ア・ラ・モード」

盛り付けのバランスも美しいプリン・ア・ラ・モード

 最後は、豪華なお皿で運ばれてきた「プリン・ア・ラ・モード」。カラフルなフルーツの色や並べ方のバランスが素敵で写真映えがします。バニラアイスは、卵の風味のコクに期待を裏切らない嬉しい甘さ。プリンは、少し固めでこれぞプリン! という懐かしい味。プリンが甘さ控えめなので、アイスを適宜加えながら、毎回どんな組み合わせで口に運ぶか考えるのが楽しくなります。

デザートは別腹! 見るだけで嬉しくなります

 「プリン・ア・ラ・モード」は、接収時代に甘いもの好きな将校夫人を喜ばせるために当時のパティシエが考えた一品。見た目の華やかさやボリュームにこだわり、色とりどりのフルーツを美しくカットして組み合わせたそう。右端に乗っているプルーンが、アメリカに接収されていたことを感じさせるアイテムです。

右端にのせられているプルーン

●お食事後はホテル内を散策するのがオススメ

 ホテルニューグランドは、雰囲気がありとても素敵なホテルです。1階の山下公園側に面した大階段や、ヨーロッパ調の中庭をお食事後に散策されてみてはいかがでしょう。

京都産のシルクの織物を採用するなど内装に和を取り入れています
噴水のある中庭

●ホテルニューグランド内 コーヒーハウス「ザ・カフェ」
住所:神奈川県横浜市中区山下町10番地 本館1階
営業時間:10:00~21:30(L.O.21:00)
電話:045-681-1841(代表)
アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」1番出口より徒歩約1分

公式HP:https://www.hotel-newgrand.co.jp/