公共交通機関で訪れやすい観光地の鎌倉。お寺や海のイメージが強いが、自然そのままを活かしたような公園や低山も多く、気軽にハイキングを楽しみやすいエリアでもある。その中から、鎌倉駅をスタートして衣張山(きぬはりやま)を目指すハイキングコースを紹介する。

 鎌倉駅を起点として、北(報告寺方面)と南(材木座方面)に、登山口があるが、小町通周辺で朝食をとってスタートするため、報国寺方面から上り、材木座に下りてくるルートを歩いた。自然をしっかり満喫しつつ、地元から愛されている飲食店も巡り、鎌倉を歩く醍醐味を感じてもらいたい。

■衣張山ハイキングコース

鎌倉エリアらしい笹薮に囲まれた登山道(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 7時20分、鎌倉駅をスタートする。鶴岡八幡宮方面へ歩き進める。

鶴岡八幡宮の参道を通る(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 10分ほど歩いた7時30分、台湾キッチン叙序園(じょじょまる)へ到着。ここで朝食をとる。なお、お店の詳細は後段にゆずる。

 朝食後、鶴岡八幡宮を正面にし、国道204号線を右手に進み、30分ほど歩き、杉本観音バス停から、「釈迦堂口切通」の標識、「平成巡礼道」の木製道標に沿って進み、8時30分、登山口へ到着。目の前には、奥深い樹林帯が広がる。足元にも植物が生えており、一気に街の空気から自然の中に入り込める。

 いよいよハイキング開始。植物が生い茂っていて、自然のパワーを感じる登山道だ。足元を邪魔するくらい成長した植物もあるので、少々歩きづらい。

衣張山登山口(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 40分ほど登った9時10分、衣張山の山頂へ到着する。山頂からは、相模湾や江ノ島を望める。開けた場所ではないが、ちらっと木々の間から海が顔を出すのを楽しめる。

衣張山山頂からの景色(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 鎌倉市子ども自然の森方面へ、40分ほど整備された平坦の道を進む。途中には「関東の富士見百景」がある。衣張山は街中にあるので、犬の散歩を楽しむ人とすれ違うことも。ベンチもあるので、小休憩を取ることもできる。

晴れていれば、富士山を見ることができる(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 「パノラマ台」の標識に沿って20分ほど進む。10時20分に、パノラマ台に立ち寄る。その名の通り、180度開けた景色を楽しめ、今回のコースの中で一番の絶景スポットだ。江ノ島を見渡し、鎌倉ハイキングの良さを感じ取ってほしい。

コースから途中立ち寄りすると、パノラマ台に着ける(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 30分ほど歩いた10時50分、まるで旅行に来たような雰囲気が味わえる「お猿畠の大切岸」に着く。長い時間をかけて風化された壁に、自然の美を感じる。

 切岸(きりぎし)とは、斜面を削って作った、人工的な急傾斜の断壁。お猿畠の大切岸は、鎌倉時代の建物基礎に使われた石材の発掘場所跡とされる。

切岸の見せる景色が非日常的(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 ここで登山道は終了し、逗子小坪方面の街へ下る。11時30分、「kitchen on the rice zaimokuza」に到着し、昼食をとる。こちらも、お店の詳細は後段にゆずる。

 12時30分に店を出て、小町大路を30分ほど進み、鎌倉駅へ。これで「衣張山ハイキング」は終了だ。
朝からしっかりと体を動かし、程よい疲労感と達成感が味わえた。心も体もリフレッシュでき、また明日から頑張ろうと思えるようなハイキングだ。