横浜のグルメと聞くと、中華街を思い浮かべる人も多いかと思いますが、老舗の洋食屋さんが多いことをご存知ですか? ちなみに“洋食”とは日本にしかないジャンルの食べ物で、西洋料理を日本人の口に合うように独自に工夫した、白いご飯に合う料理のことを呼びます。
今回は、ハンバーグマニアとして知られ、自称「バーグハンター」を名乗る女優の市川紗椰さんが絶賛する白いハンバーグが有名な「レストラン シン」をはじめ、ナポリタンやドリアの料理自体を考案したホテルニューグランドの「ザ・カフェ」、約70年続く老舗の洋食屋さん「グリル・エス」の看板メニューであるオムライスを実食してきました。横浜散策へお出かけした際のお食事として参考にされてみてはいかがでしょう。なお、レポートするお店は全て『アド街ック天国』でも紹介されています。
■唯一無二! ソースが絶品すぎる白いハンバーグ
横浜市磯子区にある「レストラン シン」は創業1979年。最近では市川紗椰さんのほか、バスケットボールのワールドカップでも活躍し、注目された河村勇輝選手もお気に入りというこちらのお店。
一番人気のメニューは「ハンバーグ日本風(1500円 200g)」。珍しい白いソースがかかったハンバーグです。「ハンバーグ日本風」と「チキンソテー(1500円)」、デザートに「抹茶ババロア(550円)」を注文しました。
お料理には、ご飯とお味噌汁がセットになっています。ハンバーグはふっくら焼きあがっていて優しい味付け。そこ白いソースがしっかりとしたアクセントになっています。ソースは、チーズのコクとお醤油の風味でご飯が進みます。付け合わせのお野菜も色鮮やかで美味しく、特にニンジンは塩気のあるソースを付けて食べると甘みが引き出されます。お味噌汁でホッとできるのもポイント。
チキンソテーにもこの同じソースがかかっていて、ハンバーグだけでなくソテーにもマッチしていました。白いソースを堪能したい方は両方頼んでみて欲しいです。
創業時から変わらないという「抹茶ババロア」はお母様が作っているとのこと。ストレートに上品なお抹茶を感じ、クリーミーでどこかホッとする美味しさでした。
●お父様の魂を受け継ぐひたむきさ
「レストラン シン」は1979年に創業されました。現在オーナーでシェフの中込真さんのお父様が開業し、息子さんのお名前から“シン”を店名につけました。看板メニューの「ハンバーグ日本風」はお父様が考案し、現在も変わらぬレシピ、ソースで提供されています。
家族にも共有していなかった秘伝のレシピは、2011年にお父様が他界される直前に真さんが聞きだしたそう。その時、真さんは長年勤めた会社を辞め独立したばかりでしたが、お父様の魂を伝え続けるため、お店を継ぐことを決意。その後、レシピを見ながら練習し、常連さんに何度も試食してもらい、半年後にやっと再オープン出来たそうです。
「レストラン シン」は、特に地元の方に長年愛され、中には三世代に渡り来てくれているお客様もいるそう。そのため、真さんよりお父様の味をよく知る方もいて、多少のプレッシャーが時にはあるようですが「お父様の味を伝え続けたい」という一心で現在もひたむきに営業されています。
●白いソースは作り置き不可! その日の分を毎日仕込む
料理の味の決め手となる白いソースが気になります。こちらはパルミジャーノチーズとお醤油を使っていること以外は非公開。ソースは日持ちがしないため、毎日その日の分を作られています。
●「レストラン シン」の今後
徐々に県外のお客様も増えてきている「レストラン シン」ですが、もっとお父様の味を多くの方に知ってもらうため、例えば羽田空港など世界の玄関口で料理を提供することができたら、と今後の夢もお話いただきました。
また、車やバスで来られる方が多いですが、バイクや自転車のお客様も大歓迎とのことですので、横浜周辺のツーリングと合わせてこちらのお店を訪れてみてはいかがでしょうか。
●レストラン シン
住所:横浜市磯子区丸山2-20-10 コーラル磯子1F
営業時間 : 11:00~16:00(LO15:30)
定休日: 月曜、第2第4火曜日
TEL:045-753-9702
アクセス:京浜東北線JR根岸駅よりバスで約15分。21系統バス「市電保存館前」か78系統のバス「滝頭地域ケアプラザ前」で下車。
駐車場:お店の前に3台