■<使い方のヒント>3シーズンなら軽量な短めのモデルも選択肢

 装備の軽量化を図るなら、アンダーキルトをフルレングスではなく、3/4レングスにするのが有効です。フルレングスよりも長さが短い分、軽くなります。3/4レングスのアンダーキルトは、就寝時に上半身をメインで保温するための長さの設定です。例えるなら、ショートサイズのスリーピングマット(長さが120cmくらいのマット)を使う感覚に近いでしょう。

 3シーズンの前提であれば、3/4レングスのアンダーキルトだけでもある程度は対応できるでしょう。寒さが気になる季節には、足元の不足分にクローズドセルマット(必要な大きさにカットしたもの)を追加して断熱性を補うこともできます。

 専用品だけでなくても、保温性のある道具ならば代用することが可能です。たとえば、ハンモック本体と同じくらいのサイズのダウンや化繊綿のブランケットにバンジーコードを付け、ハンモックと連結できるようにすれば、簡易的なアンダーキルトとして使うことができます。

■オールインワンキルト

チューブキルトはミノムシのような状態で使います

 体の上面と背面の保温を、ひとつの寝袋でまかなうのが「オールインワンキルト」です。

 トップキルトとアンダーキルトをひとつにまとめた筒状のスリーピングバッグの総称で、ハンモック専用に設計された「ピーポッドスリーピングバッグ」や「チューブキルト」と呼ばれるものは、このタイプに該当します。

 ハンモック全体をひとつのキルトで覆うので、上面と背面が分かれたキルトよりも軽さではやや有利といえます。また道具の点数が減り、管理しやすいのも特徴です。しかし、構造的にトップキルト+アンダーキルトよりも体に密着させることが難しく、若干の隙間が生まれやすいので、気温が低い時期の使用には工夫が必要です。またアンダーキルトと同じく、ハンモックが設営できない条件下では背面の断熱効果を発揮できないため、使用できるのは必ずハンモックが設営できる条件下に限られます。