■かつてはフェリーも発着していた深日港 

 深日町駅の次は深日港駅。駅の北側にある深日港は、かつて淡路島や徳島へ行くフェリーが発着していた。難波からの直通急行「淡路号」も運転されていて、その名残で多奈川線の各駅は、6両編成の電車が停まれるようにホームが長い。現在は2両編成のピストン運行になっているが。

深日港からの展望

 なお、深日港では洲本港までの「深日洲本ライナー」の試験運航を実施。観光案内所の「さんぽるた」も開業している。

深日港に停泊中の深日洲本ライナー「INFINITY」
観光案内所「さんぽるた」

 終点が多奈川駅。大阪府内で最も西に位置する駅である。

 この多奈川線だが、2023年10月のダイヤ改正で、4割の減便が決定しているという。廃止のうわさも流れ、そうなると大阪府で最も南にある支線がなくなってしまう。ただ、住民アンケートでは、大多数が存続を望んでいるそうだ。

 とはいえ、深日町駅の1日当たりの平均乗降客数は、南海100駅中83位、深日港駅が75位、多奈川駅は80位という状況だ。南海電鉄や岬町がテコ入れを図るのか、それとも消え去ってしまうのか。残すのであれば、何らかの手立てが必要なのは確実だろう。