暑くもなく寒くもない春は、登山するには最高の季節である。そこで今回訪れたのは、兵庫県姫路市にある、気軽に秘境感が味わえると人気の「神座の窟(しんざのいわや)」。なんと神座の窟は、伊勢山(いせやま)西峰の地面の下にあるという、不思議で神秘的な修験道の聖地だ。

■「神座の窟」のある伊勢山とはどんな山?

伊勢山東尾根にある室町時代の赤松氏の山城、菅山城跡(撮影:野口宣存)
伊勢山西峰からの眺望。真ん中のフサフサした山が赤松氏の山城、空木(うとろぎ)城跡(撮影:野口宣存)

 伊勢山は、姫路城の北西方向にある。標高353.0mという低山ながら、「太平記」でも有名な室町時代の豪族、赤松氏の山城もあったという険しい山だ。また、かつて山全体が修験道修行の場でもあり、その象徴ともいうべき場所が神座の窟である。

さすが修験道修行の場。伊勢山にはこんな急坂もある(撮影:野口宣存)
伊勢山西尾根は歩きやすい(撮影:野口宣存)

 そんな伊勢山だが、意外にハードルは高くない。というのも、伊勢山は多くの登山コースがあることから、自身のレベルや体力に合わせたコースをカスタマイズできるからだ。また、いざというときのエスケープルートも多いので安心だ。

 伊勢山登山では「さくっと一番の見どころである神座の窟だけ」といったおいしいとこどりのお手軽秘境体験登山も可能だ。逆に、がっつり一日かけて縦走する楽しみ方もある。