■昔ながらの「マッチ」
いつのまにか、マッチすら買わなくてはいけないご時世になっている。ひと昔前なら、喫茶店やホテルなどでショップカードのように無料で置かれていたので、すぐに手に入った。いまでも置かれているところがあると遠慮なく頂戴したり、古道具店で見かけたら買うようにしている。それを焚き火道具と一緒に持ち運び、ライターのガス切れの際に使っている。
マッチを擦る行為は、どこか懐かしく、消えた後の匂いも好きではあるが、風の影響を受けやすく、ちょっとした緊張感が生まれる。点け慣れていないと何度も失敗する可能性があるので、できることならビシッと一発で決めたい。ライターもそうだが、喫煙者が減り、オール電化の普及で、よい大人が火を点けられない姿をよく目にする。災害時の備えにもなるので、ライターやマッチくらいはスムーズに使えるようになっておきたい。
■現代版火打石「ファイヤースターター」
マグネシウムやフェロセリウム製の棒(ロッド)にステンレス製金属片(ストライカー)を擦り合わせて火花を飛ばす、現代版火打石とされるファイヤースターター。多くのキャンパーが持ち歩き、火起こしの過程から楽しむのにもってこいのアイテムである。
近年は100円ショップでも発売されるようになり、気軽に手に入るようになったので、お試しで購入してみるのもありだ。私の場合は、イベントや撮影時のパフォーマンスとしてあえて使うことが多い。
基本的には麻ひもをほぐしたものやコットンなど綿状になっているものに引火させ、徐々に枝や細い薪へと火を育てていく。ジェルタイプの着火剤なら、これでも着火できるのでライターやマッチより格段に“小慣れ感”を演出できる。万が一濡れてしまっても、乾かせば半永久的に使い倒せるのも、ファイヤースターターの魅力のひとつでもある。