■芝生にタープを張れば標高700mの風が涼やか

 筆者が予約を入れていたのはフリーサイトA。ちなみに、ここには他に貸切ドッグランサイトと常設テントサイトがある。フリーサイトAの料金は、1グループ4名まで1泊3000円~、ソロは特別価格1泊2000円。筆者は大人2人で、1グループのハイシーズン料金4000円の2泊分で、計8000円であった。

 フリーサイトAは駐車場に隣接していて荷物はすぐに運べる。筆者がテントを張った同サイト北縁はダートに接していて、ここにも車を置けるので、ほぼほぼオートキャンプ感覚で過ごすことができた。

フリーサイトA(手前)の様子(撮影:伊大知崇之)

 キレイに刈り込んである芝生にタープを張る。広々使えるのはありがたい。隣は2世帯のファミリーキャンパーだが、教室ほどの庭を隔てた向こうにいる感じ。「よろしくお願いします」と、心からの笑顔で言い合えるのが嬉しい。

芝生がキレイ! これを焦がさないよう焚火シートを持っていこう(撮影:伊大知崇之)

 タープが張れて、その下に入ると嘘みたいに涼やか! この炎天下で不思議なもの。厳しいのは日差しであって、空気は快適だったのだ。山あいを暮色が包み始めると標高700mの風が吹き抜け、むしろひんやりするほど。改めて、東京から車で渋滞込みの6時間かけてやってきた甲斐があったと喜びを噛み締める。

フリーサイトAの端に陣取った(撮影:伊大知崇之)

 火を起こす。薪は1束1000円の広葉樹。太く長いが管理棟で割ってもらうことができる。火持ちは良く、筆者は2泊したが、極太が1本余ったほど。火起こしに、筆者は前回キャンプの針葉樹が少し残っていたので、それを使用。

 ゴォー!

 炎が勢いを増し、あたりは闇に包まれる。見渡せば野に点々と散らばるテント。それぞれの“かまど”から炎と煙が立ち上がり闇に吸い込まれる。草原に集う、遊牧民の一団に加わっているような錯覚を覚える。

キャンプ場に夜が訪れる(撮影:伊大知崇之)
極太の広葉樹は火持ちよし。ナタでは歯が立たなかったので、管理棟で割ってもらうのがベスト(撮影:伊大知崇之)
最後はこれに尽きる(撮影:伊大知崇之)

 見上げれば、満点の星空──。

 キャンプ場命名の所以だ。空が広く、そこら中に大小の星々を散りばめたよう。ウイスキーが進むというもの。肉の焼ける匂いがたまらない。

まさに星降るキャンプ場!(画像提供:戸狩温泉 星降るキャンプ場)