■1日に訪れたスポット数について
四国88霊場は四国内に均等に分布しておらず徳島や香川で密集し、高知県の方では寺と寺との距離が遠い場所もある。従って、徳島や香川では1日に訪れることのできる寺も多くなり、逆に高知県では効率が悪くなった。
今回筆者は、四国内では1日平均15か所程度、最大22か所(17の寺と5つの観光スポット)を訪れた。ただし、朝5時から午後6時頃までの13時間の行動範囲で、このペースは速すぎると思う。観光スポットを減らし、稼働時間も少なめにし、ゆっくり回るくらいがおすすめだ。
民家が近くにある寺の駐車場に朝6時頃に到着し、カーナビでその日の行先をセットしていたところ、「近所迷惑なので7時までは駐車場を利用しないでもらいたい」と住職に叱られた経験がある。早朝からの行動も十分注意が必要だ。
■食事はご当地グルメを堪能
食事も旅の楽しみの一つ。ご当地グルメを堪能しつつも、近くに店がないときはコンビニご飯で済ませた。
朝はいつも早くから行動していたため、コンビニご飯が中心になってしまったが、昼は讃岐うどん、徳島ラーメン、カツオのたたきなどを事前に調べておいたご当地グルメを堪能した。
■88霊場の難所とおすすめのお寺について
徳島市、高松市、松山市などの市街地にある寺を除き、かなりの数の寺は高台にある。したがって、車やバイクでお遍路の旅に出る人たちも、階段や急坂を登る覚悟は必要だ。舐めてかかると大変なことに!
特に、十二番札所 焼山寺(しょうさんじ)、二十番札所 鶴林寺(かくりんじ)、二十五番札所 津照寺(しんしょうじ)、四十五番札所 岩屋寺(いわやじ)、七十一番札所 弥谷寺(いやだにじ)、六十六番札所 雲辺寺(うんぺんじ)は、参拝が大変なところとして知られ、アクセスは厳しいものとなる。
岩屋寺は駐車場から約30分、坂道や石段を登ってやっと本堂にたどり着けた。また、雲辺寺ではロープウェイを利用しなかったため、細い山道で怖い思いもした。ロープウェイがある場所は、利用した方がよい。
筆者が最も気に入ったお寺は、四十五番札所 岩屋寺。前述のように、駐車場から息を切らしながらやっとのことで登った先に、歴史ある山岳霊場として知られる寺が現れる。岩に囲まれ周囲の環境に溶け込んだ本堂に魅了された。
■効率よく巡りたい人には「車中泊お遍路」はおすすめ
車中泊でのお遍路は、効率的で、費用も安くすみ、88霊場以外の多くの観光スポットも巡ることができる。ただし、決して歩かずに済むわけではなく、階段や急坂を歩く覚悟は必要だ。
また、細い山道のガードレールもない場所も走るので、細心の注意を払った運転が求められる。今回の記事を参考にあなた自身のユニークなお遍路の旅を計画してみてはいかがだろうか。