■北八ヶ岳エリアとハンモックは相性抜群
今回ハンモック専用サイトをオープした双子池周辺は、すり鉢状の地形なので、テントを張れる平らな地面を確保するのに苦労してきました。従来のキャンプ指定地には最大で30張りほどのスペースを確保するのが精一杯で、池の増水時にはその一部が水没してしまうこともあるそうです。
そこで目をつけたのが、ハンモックです。ハンモックは支点となる樹木さえあれば、たとえ岩だらけでも、斜面だろうと、地面の状況に左右されずに安定した寝床が確保できる道具だからです。
多くの山小屋が森林限界下の森の中にある北八ヶ岳エリアと、じつは非常に相性が良い宿泊方法といえるでしょう。
■サイトの整備も環境にフレンドリーな方法で
今回のハンモック専用サイトの整備には、大掛かりな重機は使用せず、人工的な資材や釘なども使われていません。ハンモック同様、非常に環境にフレンドリーな方法がとられています。
整備は、まず倒れてしまう危険がある支障木や枯損木を切り倒すことから始まります。その幹をサイト内の段差が気になる場所に設置して、隙間に枝葉を詰めます。さらに刈り払った周囲の熊笹や葉っぱを中に敷き詰めていきます。これが危険な斜面や段差を埋めるステップ兼土止めとして機能するのです。
森の枯れた木々や刈り払った草を一切無駄にせず、時間の経過とともに土が流れ、葉や枝が朽ち、自然に馴染んでゆく美しい整備方法です。