■宝永山山頂までのルートのポイントをざっくり解説

スタートから1時間はごく普通の山道

 ルート取りはいくつかありますが、一番歩かれている富士宮口からのルートを順を追って解説します。

 まず、起点となる富士宮5合目の登山口から樹林帯をトラバースして、第二火口へと向かいます。小一時間の道はほとんどアップダウンがなく、歩きやすい普通の森の登山道といった趣です。

第二火口縁の道標
火口縁を10分ほど登る

 宝永第二火口縁に出てからは、ガレ場の登りが10分ほど続き、そこからベンチのある巨大な火口の底へと下りていきます。なかなかのスケール感ですね。

日陰がないので、日傘を使うのも手

 ここから火口の縁にある馬の背に出るまで、急な登りが1時間ほど続きます。標高差は300mに満たないものの、足元が崩れやすく、一歩進んでは半歩戻されるようなメンタル的にしんどい登りです。

 細かい砂利が靴に入りやすいので、ハイカットの靴を選んだり、ショートゲイターを使うなどの工夫をするとストレスなく登れるでしょう。

落石がゴロゴロしているのでヘルメットを着用した
馬の背までの登りが核心部。標高差以上にしんどい!

 馬の背から山頂までは、景色が良くて、爽快な登山道が続きます。

 取材時は、一瞬だけ晴れ間が覗いて山中湖を見下ろすことができましたが、独立峰ならではのこの景色こそ、宝永山のポテンシャル。天気さえ良ければ、素晴らしい景色の中を歩ける山です。

山頂碑は土台が歪んで崩れかけていた
一瞬の雲の切れ目から下界が見える。独立峰ならではの見晴らしの良さ

■しっかりとした登山装備を揃え、熱中症対策は万全に

ヘルメットがあると安心

 下りはサクサク歩けば、1時間ほどで下山可能です。のんびり休憩しながら歩いても、4~5時間あれば十分に楽しめます。富士山と比べれば楽とはいえ、ある程度しっかりとした登山装備を揃えて登ることをおすすめします。

起点が森林限界ギリギリなので、途中からは日陰がなくなる

 道中にはトイレがないので登山口で済ませていくこと、日陰など隠れる場所もないので熱中症や脱水症状には十分ご注意ください。また、登山者が増える時期は落石の危険から身を守るためのヘルメットがあっても良いかもしれません。

落石を起こさないよう、十分注意して歩こう

 以上、富士山には行ってみたいけれど、混雑は避けたい方向きな穴場スポット「宝永山」の紹介でした。