■川見の後、釣り開始! さっそく掛かったのは……
今回は渋川市を流れる利根川で釣りをしました(遡上のタイミング的に有望そうでした)。この辺りで釣りをするのは初めてだったので、まずは川を見てまわります。やや渇水傾向で、吾妻川から流入する水がなければ、かなり水量が少ないようです。
さて、目ぼしいポイントを見つけたので釣りを開始します。早朝から川見をしたので、まだ時刻は9時過ぎです。気温は25.6℃、水温は19.7℃と高く、渓流魚には厳しい状況でした。
傾斜の緩い護岸を降り流れに脚を入れると、ウェーダー越しに伝わる水温がひんやりと心地いいです。川床の石の裏にはクロカワムシ(トビケラの幼虫)がかなりの密度で潜んでいました。
流心に沿ってウェットフライを流すと、さっそく鋭いアタリとともにヤマメが迎えてくれました。激しい運動量でロッドを絞り込み、ドキドキさせられます。無事にネットに導き入れると、20cm半ば。型こそ大きくないものの、幅広の魚体に整ったウロコが煌めいています。残念ながら利根マスではないようですが、パンパンに膨らんだお腹にストマックポンプを入れると、クロカワムシがぎっしりと詰まっていました。
■「魚を釣るためだけじゃない!?」各地を釣り歩く理由
朝からニュースで報じられていた通り、蒸し暑い日でした。河原に立ち込める草いきれに夏の到来を感じずにはいられません。これでは魚も動けない、というより僕自身が熱中症になりそうだったので、一旦川から上がりました。車に戻りウェーダーを裏返すと、水漏れしているわけでもないのに、汗でびっしょりと濡れてしまっています。
休憩していると、散歩の途中でしょう、年配の男性が通りかかったので挨拶を交わしました。長野から来たと言うと「何度か釣りに行ったな〜 犀川でも釣りをした」と、目を細めて当時の釣りを思い出している様子でした。川見の途中で出会って情報交換をしたルアーマンには、「長野の方がいい川いっぱいあるでしょう」。たしかに、長野県内(南信以外)で出会う県外の釣り人は、群馬県民が多いような気がします。お隣なことと、遊び上手な県民性からでしょうか。
特に観光地でもなく、僕には縁もない地域。街や里を流れる中流域の川の周辺は、釣りで訪れなければ、一生来ることがないような場所だったりします。釣りを言い訳に、ついでに景色や食べ物、温泉などを楽しむこともできます。
それもわざわざ“遠征”をする理由の一つです。竿を出さなくても、釣れなくても満足できると言うのは言い過ぎかもしれませんが……。