●要因② 体

 二日酔いや寝不足など、体調不良は熱中症のリスクを高めてしまう。前日はしっかり睡眠を取ることを心掛けよう。涼しい室内で過ごし急に暑い場所に出るのも、体が暑さに慣れず、体温調整が上手くできず熱中症になりやすいので要注意だ。暑さに慣れることも大切なのだ。

●要因③ 行動

アルコールは脱水症状を引き起こすので要注意

 暑い中での、激しい運動や慣れない作業も熱中症を引き起こす要因となる。テントを設営する際は小まめな休憩と水分補給を取りながら行うようにしよう。

 水分補給で注意が必要なのはアルコールだ。アルコールには利尿作用がある。水分補給のつもりでアルコールを摂取してしまうと、それ以上の水分が体内から出ていってしまうため、かえって脱水症状を引き起こしてしまう。キャンプで飲むアルコールは格別だが、水分補給も忘れずに心がけたい。

■熱中症の疑いが出たらどうしたらいい?

熱中症が疑われたときの応急処置は、夏キャンプの必須知識(表:k_satoh)

 筆者は寝不足・水分補給のつもりのアルコール摂取・暑いテントでの休憩と、知らないうちに熱中症リスクを高める行動をとっていた。

 幸い大事には至らなかったが、同行者に熱中症の疑いが出た時のことも考え、夏にキャンプを予定している人は熱中症の応急処置は知っておくべきだ。

 めまいや吐き気など、熱中症を疑う症状が出たら、まずは意識の有無の確認が最優先となる。呼びかけに応じなかったら、すぐに救急車を呼ぼう。意識がある場合でも、管理棟など冷房の効いた建物があればその中へ。なければタープや木陰などの涼しい場所に避難し、服をゆるめてからだを冷やそう。

 その後は、自力で水分や塩分が摂取できそうなら補給し、症状が軽くなるまで様子をみる。自力での水分摂取が難しい・症状が改善しない場合は、すみやかに医療機関へ向かう必要がある。この時、当時の状況を正確に伝えられる人が付き添うようにしよう。

 今年の夏もまた暑くなることが予想される。これからキャンプを控えている人は、熱中症対策を十分にして楽しんでいただきたい。

●参考サイト

環境省熱中症予防サイト:https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness.php

一般社団法人日本気象協会:https://www.netsuzero.jp/learning/le15

環境省:https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_2-3_2-4.pdf

厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000124289.pdf