いよいよ富士山の山開きも近づき、本格的な夏山のシーズンが始まる。今年の夏はコロナ禍による様々な規制も緩和され各地の山も大いに賑わうことが予想される。

 登山の前には天候、山行計画、そしてウェアやギアのチェックは欠かせない。特に雨の多いこの季節には、レインウェアは大事なアイテムとなってくる。せっかくの高機能ウェアもそのままにしておいたら、その機能は落ちていくばかり。しっかりメンテナンスしていくことで、その機能は100%発揮され、安全で楽しい登山となる。

■快適性の向上は安全性に直結

 ゴアテックスに代表されるように、アウトドアブランドのジャケットやパンツには防水透湿性に優れたものが多い。これは雨や風をしっかりと防ぎながらも、汗などによる湿気は外部に排出し、厳しい天候下においても快適に過ごせる機能として、もはやアウトドアウェアの定番と言えるほど。

 このような高機能テクノロジーはシェルに限らず、現在ではソックス、アンダーウェア、ベースレイヤーなどにも吸汗速乾性に優れた素材が多く使用され、登山がますます快適なものになってきている。

■機能の低下は、重大な事故につながる恐れもある

(左)撥水機能が低下し、水滴が表地にしみてきている

(右)しっかりと撥水機能が働いている

 高機能だからといって、過信しすぎてしまうのは危険だ。雨の中、長時間に渡って歩くなど、使用するたびにその機能は劣化していくと考えた方がいいだろう。

 雨中に行動している際に表地に付着する雨粒、水滴がへたってきているようであれば、それは撥水機能が落ちてきているサインとなる。例えばゴアテックス素材であれば、表地の撥水機能が低下しても、防水透湿フィルムのメンブレンが雨を防ぐので、雨によって濡れることはないだろう。しかし、表地には雨が染みこみ、水で幕を張ったような状態となる。

 こうなってくると、今度は透湿性が損なわれる。汗や湿気などが外に排出されなくなり、ウェア内部にこもる。汗や皮脂などが繊維に付着することによってさらに透湿性は低下し、このことは単純に不快というだけでなく、汗冷えによる低体温症を招く恐れもある。山中での低体温症はそのまま行動不能に陥るどころか命の危険につながり、絶対に避けたいところ。

■一般的な洗濯用洗剤ではせっかくの高機能も台無しに!

アウトドアウェアは専用の洗剤を使用することで自宅での洗濯も可能

 登山やアウトドアでの遊びから帰った後、着用していたウェアの洗濯は非常に大事なポイント。他のものと一緒に洗濯機でまとめて洗ったりしていないだろうか?洗濯機を使用すること自体は間違いではない。重要なのは洗剤だ。 

 市販されている一般的な洗濯用洗剤は、アウトドアウェアに使用されている吸汗や撥水性能を阻害してしまうことがある。これは、洗剤に含まれる柔軟、抗菌、芳香成分などがすすぎの後にもしっかりと繊維に付着し、高機能ウェアに使用されている繊維をコーティングしてしまうためとされている。

 このことが本来、発揮する吸汗や撥水といった機能を閉じ込めてしまうことになる。まずは水洗いが可能か、洗濯機でも洗えるか、手洗いが望ましいかをチェックしてみよう。

■自宅で簡単「NIKWAX」で撥水機能は完全復活!

 やはり、高機能のアウトドアウェアは専用の洗剤でメンテナンスすることが望ましい。さまざまなアウトドアのギアを取り扱う株式会社エバニューが展開する「NIKWAX(ニクワックス)」は用途の広さや仕上がりのクオリティといった面からみてもおすすめしたい一品と言えそうだ。

専用の洗剤、撥水剤でレインウェアも新品同様に復活

(左)「テックウォッシュ」価格:1,430円(税込) 容量:300ml
   対象製品:レインウェア、スキーウェア、フリース、テント
(右)「TX.ダイレクト WASH-IN」価格:1,980円 容量:300ml
   対象製品:レインウェア、アウター等

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■それぞれの種類に合わせた洗剤で洗濯 その後に撥水処理を施す 

 NIKWAXはシェル、ダウン、ウールといった素材ごとにそれぞれの洗剤、撥水剤がラインナップされている。水洗いが可能な製品であれば、洗濯機、もしくは手洗いにてまずは専用の洗剤で洗濯。すすぎの後、またそれぞれに合わせた撥水剤にて処理を施すだけ。後は直射日光を避け、陰干しすれば、驚くほどに撥水機能が復活する。

ダウンやウール素材、幅広いアウトドアウェアの素材に対応

(左)「ダウンウォッシュ ダイレクト」価格:1,650円(税込) 容量:300ml
   対象製品:撥水ダウン、寝袋等
(右)「ウールウォッシュ」価格:880円(税込) 容量:300ml
   対象製品:吸汗速乾性、保温性を持つウール製ウェア

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