「野良猫(避妊・去勢されていない、飼い主のいない猫)に餌をあげてはいけない」というマナーは、いまや常識になりつつあるのではないだろうか。
猫へのエサやりでは、清掃を怠るとカラスが来たり虫が発生したりするきっかけとなり、人への感染症に生じるリスクがある。また、野良猫がエサやりで体力がつくと、繁殖を促す一因になることも。
そうして増えた野良猫の糞尿・吐瀉物でキャンプ場が汚れるなどの被害が大きくなると、場合によってはキャンプ場の閉鎖や野良猫の殺処分に繋がる可能性もある。
こうした、野良猫への「無責任なエサやり」は、キャンプ場・キャンパー・野良猫など、みんなに不幸をよぶのではないだろうか。
では、キャンパーは野良猫に、どう接すればいいのか。「猫とキャンパー」に必要不可欠なマナーを解説していく。
■キャンパーやキャンプ場への悪影響
まずは、野良猫へのエサやりが引き起こすキャンパーとキャンプ場への悪影響を考えてみる。
・キャンプ場の場合
エサやりが原因で増えた野良猫による糞尿・吐瀉物被害、そして、エサやりにつられたカラス、その他の野生動物による被害が増えた場合、リピーターが減って評判が落ち、キャンプ場の存続にも影響するだろう。
・キャンパーの場合
エサやりをしたからといって、すべての野良猫が人に慣れるわけではない。爪で引っかかれただけでも、傷口が腫れあがり、思った以上に重症化する可能性がある。噛まれた場合には、感染症のリスクも高まる。
また、キャンパーの中には、猫が苦手な方やアレルギーの方もいるだろう。そういった方への配慮を怠り、野良猫への無責任なエサやりが増えるのは避けたいところだ。