■日本にある13のランクAの火山
●北海道 十勝岳(2,077m) 噴煙がたなびく十勝岳連峰の主峰
十勝岳連峰の主峰である。日本百名山のひとつで、「花の百名山」にも数えられる。登山道は主に3つあり、いずれも比較的なだらかで登りやすい。80年代には小噴火が目立ち、今も火口から噴煙が上がっているが、近年は目立った噴火活動が観測されていない。
●北海道 樽前山(1,041m) 溶岩ドームを備える北海道南西部の山
支笏湖の南側、苫小牧市の北西部に位置する。登山ルートはいくつもあり、山頂には特徴的な溶岩ドームが存在する。標高の最高点はドームの1,041mで、2013年には地殻変動などが確認されている。
●北海道 有珠山(737m) 支笏洞爺国立公園内にある自然のミュージアム
「洞爺湖有珠山ジオパーク」の一部で、火山活動により形成された自然のミュージアムともいえる。約7000〜8000年前に一度、噴火により山体崩壊が起きたことがある。現段階で最新の噴火は2000年に発生。そのときの火口を見学できる展望台がある。
●北海道 北海道駒ヶ岳(1,131m) 渡島半島にそびえる入山規制アリの活火山
函館に比較的近く、渡島半島のシンボル的存在。独特の山容が特徴で、角度によって、なだらかにも、荒々しくも見える。少しずつ緩和されているが入山規制があり、2021年の夏季は森町赤井川登山道のみが解放され、標高約900ⅿ「馬ノ背」まで登ることができる。
●長野県・群馬県 浅間山(2,568m) 火山活動は活発だが山容は登山者を魅了する
日本百名山に数えられる名峰。噴火と崩壊を繰り返し、円錐形の美しい山容となった。2000年代以降も度々噴火のニュースが流れる。山頂火口からは噴煙が上がり、周りにはカルデラがある。随時入山規制があるので、登山の際は事前に確認が必要だ。
●東京都 伊豆大島(758m) 椿で有名な島は海底火山の陸上部分
文字通り、伊豆諸島最大の島だ。実質は海底からそびえ立つ火山の陸上部分である。1986年の三原山噴火がよく知られているが、ʼ90年を最後に噴火は確認されていない。三原山にはいくつもの登山コースがあり、火口を周遊する遊歩道なども整備されている。
●東京都 三宅島(775m) 本格トレッキング環境も整う伊豆諸島の雄
伊豆諸島のひとつで、雄山を最高峰とする海底火山の一部である。1983年と2000年に噴火している。海水浴はもちろん、ダイビングやシュノーケリング、釣りなどを楽しむ観光客も多い。また、雄山では所要時間7時間という本格トレッキングが楽しめる。
●東京都 伊豆鳥島(394m) 無人島になった天然記念物の島
伊豆諸島の無人島だ。島全体が火山であり、また、国の天然記念物に指定されている。アホウドリの生息地として知られる。戦前までは人が住んでいた。現在は東京都より許可を得た場合のみに上陸が可能だ。最近では、1998年、2002年に噴火が確認されている。
●熊本県 阿蘇山(1,592m) 火山が演出するダイナミックな山域
日本百名山のひとつで、世界有数の大型のカルデラと雄大な外輪山を誇るダイナミックさが魅力だ。温泉が点在することもあり、周囲は人気の観光地となっている。登山ルートは一部、通行不可の場合もあるので要注意。2010年代にも小規模な噴火が確認されている。
●長崎県 雲仙岳(1,483m) 悲劇を生んだ普賢岳にも新登山ルートが開通
長崎県の島原半島中央部に位置する火山である。噴火により形成された最高峰の平成新山をはじめ、妙見岳、普賢岳、国見岳など20以上の山々からなる。1991年には普賢岳の火砕流で人的被害が生じたが、今は新登山道が開通し、普賢岳のトレッキングも楽しめる。
●鹿児島県 桜島(1,117m) 今も噴火を繰り返す鹿児島湾の名物
鹿児島湾にある火山。かつては独立した島だったが、1914年の噴火により大隅半島と陸続きに。そのときの噴火が、国内では過去100年で最大規模の爆発だった。現在は登山は不可となっているが、その煙を上げた姿は観光コンテンツとして地元に貢献している。
●鹿児島県 硫黄島(703m) 薩南諸島にある温泉も湧く火山島
薩南諸島北部に位置する島で、太平洋戦争における激戦地として知られる島とは異なる。「薩摩硫黄島」とも呼ばれる。人口は100人強。主峰の硫黄岳は常時噴煙を上げている。露天風呂など温泉施設もあるため一定の観光需要はあり、定期フェリーが就航される。
●鹿児島県 諏訪之瀬島(796m) 長く無人島だったが今は人が住む火山島
鹿児島県の吐噶喇(とから)列島に属する火山島である。噴火により長く無人島だった時期があるが、現在は人が住んでいる。御岳周辺は火山活動が盛んで、2020年代にも噴火の発生が確認されている。そのため周辺地域は立ち入り禁止。島自体には釣り目的で訪れる人がいる。