■無人島の動植物たち

島にはスミレなどの美しい山野草が群生していた(撮影:山下直人)
途中、獣の足跡を見つけた(撮影:山下直人)

 途中、道に獣の足跡を見つけた。夜、生き物が自由に歩き回っている姿を想像する。さすが無人島──。人がいない島では、生き物たちが人間を恐れず、自由に生きているのだ。そんなことを考えながら、島を一周した。1時間10分程かかった。

 島から降り、海の中に現れた道を通って、再びスタート地点に戻る。途中、島を振り返りながら、この道がまた消え、島が孤島となる姿を想像する。

 知林ヶ島は、初めてキャンプをした日、初めて山に登った日の、興奮と不安が交錯する冒険心を思い出させてくれた。

■知林ヶ島へ渡るときに、最も重要なこと

島への道の近くに立つ注意看板(撮影:山下直人)

 知林ヶ島へ渡るときに、最も重要なことがある。それは「道があるうちに帰る」だ。

 道の出現時間は1時間から5時間と、幅がある。油断していると島に取り残されかねないため、必ず事前に時間を確認して島へ渡ろう。

 万が一島に取り残されても、携帯電話で指宿漁協(0993-22-2236)または、海上タクシー(090-4347-1151)に連絡すると有料で迎えに来てくれる。とはいえ、誰にも迷惑をかけずに楽しむのが、正しいアウトドアだ。くれぐれも時間厳守で楽しんでいただきたい。

●【MAP】知林ヶ島への道「ちりりんロード」