徳川家康が埋葬された静岡県静岡市駿河区にある「久能山東照宮」。久能山からは駿河湾が一望でき伊豆半島まで見渡せ、家康はこの絶景を愛し遺体を久能山に埋葬するように遺言に記したとされている。

 その久能山の目の前、久能の沿岸部を主な漁場とする、静岡市駿河区の「用宗(もちむね)漁港」の「しらす漁」が4月中旬から5月末にかけて最盛期を迎える。同港で水揚げされたしらすは鮮度抜群で有名。今回は、用宗漁港が誇るしらすの「鮮度最強」の秘密に迫る。

■「鮮度最強」の秘密その1 運搬船により即座に市場に運ばれる

50隻以上の漁船が「出港」の合図とともに一斉に漁場へと向かう(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 用宗漁港のしらす漁は3隻の船が1組となり、その内の2隻が網を曳き、もう1隻が水揚げされたしらすを市場まで運ぶ運搬船となり、港と市場を何度か往復してピストン輸送を行う。漁場に着いた漁船は魚群探知機の反応を頼りに30〜40分網を曳き、しらす漁を行う。

水揚げされた「しらす」はその場で氷締めされ市場へ運ばれる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 網を上げ運搬船に水揚げされたしらすは、その場で氷で締められ即座に港内の市場へと運ばれる。運搬船があることにより、その日の操業が終わるまでの時間、船上にしらすが置きっぱなしになることを防いでおり、鮮度の良い状態で市場へとすぐに運ばれる。