●ルート&見どころ

 甲州市から延びる県道201号を進み続けると上日川峠登山口とその拠点、「ロッヂ長兵衛」が現れる。ロッヂ長兵衛の脇から続く登山道を20分も歩けば「福ちゃん山荘」がある。ここで多少勾配がある唐松尾根と緩やかな坂道の大菩薩峠へ向かう道と分かれる。後々の展望のことを考慮し、多少勾配のキツイ唐松尾根を行く。

 尾根を抜けると雷岩がそびえ立ち、後ろには甲府盆地とアルプス、富士山が一望できる絶景が広がっている。左手側に5分程進むと大菩薩嶺の頂上だ。森の中にあり展望こそ望めないものの、木陰が日差しを遮ってくれて休憩するのに最適だ。

稜線からの眺め。目の前に富士山を見ながら歩く

 山頂を踏んだら雷岩まで引き返し、いよいよこの山行のハイライトである大菩薩峠までの稜線歩きだ。唐松尾根から来れば目の前に先に述べたパノラマビューを望みながらのハイキングができる。およそ30分の稜線歩きを終えたら、「介山荘」に着く。ここでは手ぬぐいや缶バッチなどのお土産が買える。分岐を右手に行き、なだらかな森の中を余韻に浸りながら歩こう。険しい道ではない。福ちゃん山荘の分岐までたどり着けば、朝に来た道を戻るだけだ。

介山荘から福ちゃん山荘までの道のりは緩やかな森林帯

●前泊テント泊もオススメ

 東京から日帰りで往復することも可能だが、人気の山とあり道中は混雑する。せっかくなら前泊して朝早くに出発する行程をオススメしたい。テント泊の際は小屋で指定の料金を支払う。

夏の登山道は緑と花に包まれる

●山小屋デビューにもうってつけ

全部屋個室でお風呂もある「ロッヂ長兵衛」

 「ロッヂ長兵衛」は山小屋だが車でアクセスできて、山小屋デビューの人やテント泊をしてみたいという人にうってつけの立地だ。駐車場が目の前にあるので荷物の運搬が楽なだけでなく、不足や忘れ物があれば麓の街まで20分ほど車を走らせて買い出しに行くことだってできる。山小屋というと複数人で雑魚寝するイメージがあるが、ここは全部屋個室だからその心配はない。更にお風呂もある。仮に登山を楽しまない人との同行でも自然を楽しむための拠点として十分利用できる。素泊まり6300円から宿泊可能だ。