■軽食もドルチェも満載の食べ歩き天国

   ドイツ語表記が新鮮でおしゃれなベーカリーやウィーン名物のザッハ・トルテを並べたお菓子屋さん、テラス席で午前中からビール片手に日光浴を楽しむ人々を横目に見ながらぶらぶら歩きを続けていると、大勢の人々でごった返す小さな広場に出た。地図を見るとここが「エルベ広場」であるらしい。広場では週末以外の毎日、新鮮な野菜や果物、地元の特産品などを売る市場が開かれている。

平日の朝から開かれているエルベ広場の市場。珍しい野菜や果物、焼きたてのドイツ風パン、特産品のソーセージやチーズなど、美味しいものが集う市場は一見の価値あり

 18世紀のブロンズ像「ネプチューンの噴水」を中心に、広場からまっすぐに伸びた通りには生鮮食品から加工食品まで、様々な食材を並べた屋台がひしめいている。眺めているうちにお腹が鳴き出した。そういえばまだ昼食をとっていなかった、と気づいたその時、ちょうど目の前にホットドッグの屋台を発見。本場のウィンナー・ソーセージにザウアークラウトをたっぷり盛ったホットドッグは見るからに美味しそう。

街角のあちこちで目にするホットドッグ・スタンド

 立ち食いでかぶりついている人達は皆嬉しそうにホットドッグを頬張り、その合間にビールをゴクリ、そしてまたホットドッグをひとかじりしながら満足そうな笑顔を見せている。たまらなくなって私も即座にホットドッグを注文した。

5ユーロで本場の美味しさが味わえる。ビールと一緒に食べるとまた格別

 熱々プリプリのウィンナー・ソーセージは噛むとじゅわっと肉汁が溢れてくる。 酸味の効いたザウアークラウトとピリッとしたマスタードとのハーモニーも絶妙。食べ終わった直後にもう一つ注文したくなったのだが、屋台にはまだまだ試食したいものが溢れているので、グッと我慢してその場を離れた。

 ホットドッグの次に目についたのは、パン屋の屋台にずらっとぶら下がっていたプレッツェル。焼き立てのプレッツェルは様々なテイストがあり、どれにしようか迷った末にシンプルな塩味とヒマワリの種をまぶしたものを試食することにした。外はパリッと、中はモチっとした食感がたまらなく美味しい。

 歩きながら食べられるので、プレッツェルをかじりつつ市場をぐるっと見て歩いた。歩き疲れたので一休みしようとカフェに入ると、今度は本場ウィーンのザッハ・トルテ、チロル地方特産のアップル・シュトルーデルが待っていた。

焼きたてのプレッツェルも見逃せない味の一つ

 食べ歩き天国の旧市街では、通りや街角の至る所に美味しいものが溢れている。ホットドッグやプレッツェルなどの軽食からドルチェ、そして本場のクラフトビールとおつまみなど、どれもこれも味わってみたいものばかりで、胃袋が嬉しい悲鳴をあげていた。

本場ウィーンのザッハ・トルテ(イタリア語でサーケル)はお土産にも最適