●特徴3 滑りにくい

登山用水筒には、過酷な自然環境でも、しっかりグリップできる工夫が施されている(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 上部と底部、また本体にシリコーン製の滑り止めが付いており、滑りにくい。この特徴のおかげで、汗まみれや雪や沢水で濡れても、本体やコップ兼用のキャップをしっかり保持できる。

 個人的には、落下した際に破損しやすい底部を保護してくれる役割もあるのもうれしい。

●特徴4 豊富なサイズ展開

 少量で運びやすい350mlサイズから、大容量の1000mlサイズまで豊富に揃っている。日帰りから数日にかけて登る場合や、ハイキングから雪山登山といったさまざまなシチュエーションに合わせて選べる。1つのモデルでサイズ展開が豊富なのも登山用水筒ならではだ。

■初めての登山用水筒選び

登山用水筒選びはサイズが重要であるためとても悩む(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 「種類が多すぎて、どれにしたらよいか困る……」初めての登山用水筒選びでよくある悩みだ。筆者は迷った末に衝動的に都度購入してしまい、同じ容量で複数所持、さらにサイズ違いなど、散財といっても過言ではないほど登山用水筒を持っている。

 筆者のようにならないよう、初めての登山用水筒選びのポイントを紹介する。

■登山用水筒選びのポイント

●ポイント1 登山工程

 登山形態が日帰り登山か、宿泊登山かで、登山用水筒選びも変わる。日帰りの場合は1日の行動で使用するシチュエーションが小休止や食事の際だが、宿泊で行程も長い場合は水の入手が難しい山や、冬は気温が低く風も強いため、バーナーの火力が上がらずお湯を作るのに時間がかかる。そのため、現地では一度でたくさんのお湯を確保しておきたい。

 これらを総合的に考えると、別途補給用の水分に加え、日帰りメインでは少なくとも350mlから500ml、宿泊登山メインならそれ以上の容量があってもよい。

●ポイント2 使用用途とタイミング

登山用水筒はホルダーに取り付けるとすぐに取り出せて便利(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 筆者は休憩中にすぐ手に取ってお湯を飲めるよう、外付けのホルダーに水筒を携行している。この場合は350mlを使っており、下山開始前にお湯を沸かして補充している。休憩時に飲む程度なら350mlでも事足りるが、食事でカップラーメンやフリーズドライ食品に使う場合は、500ml以上がおすすめだ。

●ポイント3 保温保冷時間と重量

 容量以外に注視したいのは、保温保冷時間と重量。登山用水筒は6時間経過してもお湯の状態を維持できる高性能だが、なかにはすぐにぬるま湯になってしまうものもある。購入前にはしっかり保温保冷時間を確認しよう。

 また、水筒は登山中に水や食糧のように減らすことのできない道具のため、荷物の総重量を軽くしたい方は、より軽量なモデルを選択してほしい。

■まずは500mlがおすすめ! 必要に応じて買い足しを

登山用水筒で最も使用用途が広い500mlサイズ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 使用用途や登山形態、好みによってサイズやモデル選びも変わるが、まずは500mlの容量で保温保冷時間が長いモデルを選ぶのがおすすめだ。

 無難な選択ではあるが汎用性も高く、500mlモデルを使い続け、必要に応じて用途に特化した容量やモデルを検討すると後悔しないはずだ。最適な登山用水筒を選んで、快適な登山を楽しもう。