2月まで厳しい寒さが続いていたが、3月に入って暖かい日が増えてきた。そこで陽春の里山を楽しむべく訪れたのは、播磨の名山と名高い三草山(みくさやま)だ。
兵庫県加東市にある標高423.9mの三草山からは、コンディションがよければ、播磨灘や淡路島まで見渡すことができる絶景パノラマが広がる。登山道がはっきりしており、道標も多く、初心者でも安心して登山が楽しめる山だ。
三草山登山は、三草コース(50〜70分)、三草古道コース(50〜60分)、炭焼窯跡古道コース(90〜120分)、鹿野(しかの)コース(90〜120分)、畑(はた)コース(30〜40分)の5コースから選ぶことができる。
登山口にはそれぞれコースの特徴や魅力を説明する加東市設置の案内板があり、見ているだけで何度も訪れてみたくなる魅力的なルートが揃う。
■三草山にまつわるエピソード
三草山は、「平家物語」に出てくる平安末期の「三草合戦」の舞台としても知られている。三草合戦では、源義経が民家に火を放って平家軍を夜襲し、平家軍は屋島(やしま)に敗走したというエピソードが残る。時代は下り、室町時代には赤松氏の三草山城があったという。
また、兵庫県加東市の観光協会がPRしている三草山の「近本ロード」。近本ロードとは、三度の盗塁王に輝くプロ野球・阪神タイガースの近本光司選手が、高校時代にトレーニングで走っていた登山道のこと。現在の鹿野コースと畑コースのことだ。
現在、鹿野コースは工事中で通れないため、実際に歩ける近本ロードは、畑コースに絞られる。なお、三草山山頂にある近本ロードの看板と一緒に記念撮影をし、加東市観光協会に持っていくと、「近本ロード踏破証明書」がもらえるとのことだ。