■現在SKIMOの世界をリードしている国は? 注目の選手は?

バーチカル種目、レース序盤から他を引き離すレミ選手の快走

 現在、各種目においてトップを競う選手がそろう列強の国はというと、イタリア、フランス、スイス、スペインが圧倒的な4強だ。それらの国々の選手層は厚く、かなりの確率でこの4強の選手達が表彰台に立つ。

 しかし、オリンピックに向けた各国の選手強化により、他の国々からも有望な選手が続々と現れている。そんな中でも今大会で注目を集めたのは中国だ。もともとSKIMOにおいて強い国ではなかったのだが、組織だった強化が実を結び、今大会の国別ランキングで4強に続く5位に入っている。ヨーロッパの列強を押しのけての5位は賞賛に値する成績だ。

 個人で強い選手は共に男子のスペインのオリオール選手とスイスのレミ選手だろう。オリオール選手はスプリントで圧倒的な速さを持ち、今回の世界選手権でも圧巻の優勝。一方、レミ選手はバーチカルとインディビジュアルで他を寄せ付けない強さで2冠達成。スプリントに出場しなかったレミ選手だが、今後方針を変えてスプリントに力を入れた場合は、勢力図が大きく変わる可能性が高い。けれども、そんな力のある選手がオリンピック種目にとらわれず、バーチカルとインディビジュアルで力を発揮している点も見逃せない。

■オリンピックに向けた日本人注目選手

注目の平林選手と田中選手はミックスリレーでペアを組んだ

 今回の世界選手権には多くの日本人選手も出場した。しかし、強化において他の国に大きく後れを取っている日本がすぐに成績を出すことは難しい。特にインディビジュアルなどの山岳エリアで行う種目は体力だけでなく高い滑走技術を合わせて求められるため、簡単にレベルアップは望めない。

 そんな中でも、ゲレンデ種目のスプリントで予選を通過した島徳太郎選手には大きな可能性がある。また、女子の田中友理恵選手と、男子の平林安里選手も、スプリントやミックスリレーでは島選手以上の高いポテンシャルを秘めている。

 オリンピックに向けた日本のSKIMOにおいて、この3選手の成長が飛躍の鍵となるだろう。今後の活躍に期待したい。