■これまで「無理」と言われてきた梅干し缶詰の登場
和のおかずを揃えた「あなご弁当」も拵えた。木の屋石巻水産「あなご醤油煮」と、国分首都圏「国技館焼鶏 鶏つくね」が主菜で、副菜に八戸鮫浦漁協「すき昆布」(刻み昆布の煮物)を登用。ごはんの中心には梅干しを収めた。
今さりげなく書いたけど、梅干しも缶詰なのである。いやはや、すごい時代になったものだ!
従来「梅干しを缶詰にするのは無理」と言われてきた。梅干しは塩分量が多く、金属製の缶が塩分によって腐食すると考えられていたからだ。
梅干しの塩分量は商品によって差があるけど、おおむね5〜6%以下になると減塩タイプと呼ばれる。一方、缶詰業界では、缶に入れる食品は塩分量4%未満が好ましいとされてきた。ちなみに前出の「イノシシ肉と大豆のキーマカレー」は1.4%未満。「きゅうり漬キムチ味」でも3.7%未満である。
しかし、こまち食品工業というメーカーが独自に研究し、塩分量6%の梅干しを缶詰にした場合、3年以上たっても缶が腐食しないことを確認した。その結果、ついに初めての「梅干缶」が誕生したのだ。ALL缶詰弁当を実現するうえでも、誠に重要な功績であります。
使われる梅は紀州南高梅のA級(最上級)のLサイズ。適度な甘みがある今風の味で、柔らかな食感もナチュラル。いわゆる普通に美味しい梅干しだ。