■都会風を吹かせるのはデメリットだと感じる

地域住民の自宅でコーヒーなどをいただくことも(撮影:西野くに)

 まず、テレビやネットでは「都会風を吹かせないよう心掛けてください」のフレーズが多く取り上げられているのではないだろうか。筆者が思うのは、移住者が最初から都会風を吹かせるのはやめた方がいいと感じる。これは移住者への忠告であると同時に、波風を立てなければ、上手くいくというアドバイスにも思えた。

 移住をしてきて、地元の人から煙たがられる人は、同じ移住者としてもあまり関わりたくないと感じてしまう。筆者の場合、地元の仕事とライターなどのネットでの業務をバランスよく行っている。最初は周囲の人も「パソコンを使用して文章を書く人が来た」みたいな印象があったと思う。しかし、長く住むことで地域の人とも少しずつ打ち解け、地域の人がパソコンや携帯電話などの調子が悪い際に訪ねてくることも増えていった。

■自然の脅威はどのくらいなのか?

台風通過後は倒木などで通行止めとなる道も多い(撮影:西野くに)

 報道では自然の脅威についても取り上げられた。東京では台風の影響があると電車の遅れや運休といった被害が一般的だった。しかし、高知県では東京に住んでいた時とは比べものにならない被害を経験した。

 例えば、去年の台風では半日以上自宅が停電となった。近所の山間の集落は一日以上停電となり、改めて地域の助け合いが必要と感じた出来事だった。

 高知県に移住して5年目ということで、正直なところ山の暮らしにも少し慣れてきたつもりだった。東京にいた頃は台風の影響で停電を経験したことがなく、改めて自然の脅威を感じた。

いつもはエメラルドグリーンの清流も災害級の大雨が降ると濁流となる(撮影:西野くに)