意外と知られていない、梅の産地の群馬県。全国の梅生産量ランキングでは第2位の、東日本随一の梅どころ。県の南西部一帯「西上州」エリアには「ぐんま三大梅林」と呼ばれる「榛名梅林」「箕郷梅林」「秋間梅林」があって、梅の花が見ごろを迎える3月は、春の到来をいち早く感じられる場所でもあるのです。
●農林水産省「梅の生産量と主な産地についておしえてください。」
■開業は明治までさかのぼる、梅の名所
「秋間梅林」には35000本もの紅白梅が植えられていて、里山を背に梅の木々が立ちならぶ姿が、なんとも絵になる景観をつくり出しています。広い丘陵地を利用しているので清々しさを感じますが、それもそのはず、観光梅林としては約60年もの歴史を持ち、 花見の観光がまだ珍しかった時代には全国的に知られた、梅の名所なのです。
花見の時期以外にも、梅レシピのワークショップや収穫体験などが頻繁に開かれていて、情報発信には積極的な印象を受けます。訪れたこの日は集会所でリサイクルイベント「あきまくるくる」が開かれていて、地元の方たちを中心にワイワイガヤガヤしている様子に思わず頬が緩みました。観光案内所で聞いたところ、ここ数年は地域おこし協力隊を中心に、新たな観光スポットとして力をいれているようです。
■<秋間梅林祭が開催中> 梅林グルメは「食べ歩き」がおすすめ!
約50ヘクタールの広大な梅林が、一斉に開花を迎える2月中旬から3月下旬は「秋間梅林祭」が開催され、園内を散策することができます。花の「映え」写真に困ることはありませんし、週末に開かれるイベントや夜のライトアップを目当てに行くのも良いでしょう。
特に園内で味わえる郷土料理や田舎おやつは、素朴な味わいながら逸品ぞろい! 控えめな味付けで素材のうまみが生かされていて、飽きずにいくらでも入ります。「やきもち」など数品とドリンクをセットにした、食べ歩きチケットなども売られているようです。
また、それらを提供する売店はどこも情緒たっぷり。梅林祭期間中のみ開店されてきたからでしょうか、建屋も什器も調度品も、昭和からの姿のまま使われているのです。そこで働くおばあちゃん達も愛嬌と人情たっぷりで、美味しさが倍増します。