■かわいい野生動物にも注意

可愛くて人懐っこい野良猫でも適度な距離を保とう(撮影:ソラ)

 

 クマやイノシシのほかにも危険なのが、野良猫やタヌキ、キツネ、などの一見かわいい野生動物だ。見た目ではわからない野生ならではの凶暴性もあり、感染症のリスクも高いため、近寄るのは絶対NG。

 また、人懐っこい猫が寄ってきたら、食べ物の一つくらい分け与えたくなる。ついモフモフしたくなってしまう。しかし、少しでも野良猫に関わる場合、最後まで責任を取る覚悟で餌を与えるべきではないだろうか。

 「硬く考えすぎでは?」と思った方もいるだろう。しかし、餌を与えた際に学習して、頻繁にキャンプ場に出現し、テント内や外に出している食べ物やゴミなどを荒らす原因にもなりえる。また、それが原因で保健所に収容され、譲渡先が見つからないまま殺処分されるという最悪のパターンもありえなくはない。

 ひと時の同情心や愛情は押さえて、適度な距離を保つ意識が大事だ。

◾︎残飯や生ゴミの出しっぱなしはNG

食べ物があると自ら近づいてくることもあるハナグマ(撮影:ソラ)

 

 人間の何倍もの嗅覚を誇る野生動物たちの近くに美味しい食べ物があれば、キャンプ場に近づいて来ることもあるだろう。

 そう考えると、野生動物とのトラブルの原因は人間にある、と感じないだろうか。キャンパーそれぞれがきちんと食べ物やゴミの管理をした場合、野生動物とのトラブルは減っていくと思われる。

キャンプ場によくいる賢いカラスには注意(写真:Pixabay)

 

対策その1:カラス対策として、生ごみや食べ物には布などで目隠し
対策その2:食べ物の匂いで野生動物が近寄るため、車や建物に隔離
対策その3:蓋のある入れ物や二重にゴミ袋を使うなど、匂い漏れ対策をする
対策その4:テントや小屋のデッキなど、戸締りをしっかりとする

 ほかにも、少しキャンプ場所から離れる場合も気を抜かない、汁ものはジップロックで完全密封など色々と方法はあるが、「食べ物やゴミを捨てない・見せない・近づけない」という意識が一番大事だ。

 以上、食べ物やゴミの対策、かわいい野生動物への対応、事前の情報収集などを参考に、安心安全の大自然キャンプを楽しんでみてはいかがだろうか。野生動物への対策意識や思いやりを忘れずに、自然と仲良くアウトドアライフを満喫しよう!