■タヌキの足跡はヨチヨチ歩き

 3つ目はタヌキ(ホンドタヌキ)だ。森林や農地に多いイメージだが、東京23区内でも生息が確認されている。その理由の1つは、雑食性にあるだろう。昆虫、ミミズ、トカゲ、カエル、サワガニ、木の実などなんでも食べる。都会ではゴミを漁ったり、犬や猫の餌を失敬したり、銀杏まで食べている。

 冬眠せず夜行性なので、朝一のスキー場では綺麗な足跡を発見することができる。前足は5本指、後ろ足は4本指だが、前足の一番目の指は高い位置にあるので雪面につくことはない。よって写真のように4本指の足跡がつく。キツネ(ホンドギツネ)の足跡が真っ直ぐなのに対し、タヌキはよちよちというか、左右にぶれながら歩く傾向にある。しかし犬や猫の足跡に極めて似ているため、スキー場のそばに民家がある場合、散歩でついた犬の足跡という可能性を否定できない。

タヌキの足跡。前足の指は少し広がり、後ろ足の指はすぼまる

■食べ跡の違いは歯の違い

 ノウサギ、カモシカ、シカは冬の間、木の樹皮や芽をよく食べるので、そのかじり方で見分けることができる。ノウサギはナイフでスパッと切ったような切り口。一方、カモシカやシカはスパッとはいかず、かじり跡に繊維が残る。

 なぜ違いが出るのだろう。これは歯の違いによる。ノウサギは上の歯と下の歯があり、サクッと枝を切ることができるが、カモシカとシカは下の歯しかなく、上は硬い歯茎だけになっている。それゆえ引きちぎるような食べ跡になってしまうのだ。

ナイフでカットしたようなノウサギの食べ跡(左)と、繊維が残るカモシカの食べ跡(右)