九州の玄関口、福岡県小倉(こくら)駅の構内に、知る人ぞ知る立ち食いうどん店があるのを、ご存知だろうか。今回、紹介する「かしわうどん」だ。

 鉄道ファンの間で、一度は訪れたい店として、密かに人気を集めてきた駅ホームの立ち食いうどん。鉄道ファンでなくとも、この店を愛する人は多く、2023年2月現在、164巻にも及ぶご長寿漫画『クッキングパパ』にも登場するほど。

 漫画の中では「ぷらっとぴっと」という愛嬌ある名前の看板、昔ながらの店の姿が登場しているが、6年ほど前に店舗は改装され、看板も「かしわうどん」に変わっている。

 改装して名前が変わっても、肝心のうどんの味は昔から変わらない。

■うどんを食べるために博多からわざわざ新幹線で訪れたクッキングパパ

クッキングパパ59巻に登場する小倉駅。駅ビルからモノレールが飛び出してくる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 小倉駅は山陽新幹線を利用する人なら、実際に降りたことはなくても終点博多駅の「1つ前の駅」として、耳に覚えがあるはずだ。同じ福岡県内でも小倉と博多は距離があり、新幹線で15分、特急で40分、最速でもかかる。

 クッキングパパ59巻では、博多に住むクッキングパパと金丸産業の面々が、新幹線でわざわざ小倉駅の立ち食いうどんを食べにやってくる。これだけでも期待が高まる。(ちなみに帰りは普通列車で帰った模様)

1月末の寒波襲来の日、うどんを食べに入場券でホームへ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
鹿児島本線の列車や特急ソニックが発着する7、8番のりばへ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 現在、小倉駅構内には3つの立ち食いうどん店があるが、今回紹介するのは7、8番のりばの店(他に、3階コンコースにある「玄海うどん」と1、2番のりばに今回紹介する店と同系列の店がある。ちなみに1、2番のりばの店は今でも「ぷらっとぴっと」という看板と昔ながらの店構えが残っている)。

 小倉駅7、8番のりばからは、鹿児島本線:門司港・博多方面、日豊本線:大分方面へ向かうことができる。まさに九州鉄道旅のスタートとなる場所なのだ。