■スキーに使いやすい車の条件1「雪道に強いこと」

撮影日は寒波が到来し、道路が真っ白になるほど雪が積もりました

 では、まず手始めに、-10℃ほどに冷え込んで凍った朝の山道を縫って、スキー場へとデリカD:5を走らせてみましょう。

 

平瀬:「冬場でも高速道路や幹線道路は多少雪が降っても案外走りやすいものですが、雪道を走り慣れていない方がトラブルに遭いがちなのは、スキー場近くのアップダウンやカーブが多い山道ですね」

大野:「雪道で4WDはマスト。下り坂でブレーキを踏んでカーブを曲がりきれなかったり、凍った坂を登れない2WDの車がいたり。その点、デリカは大人数が乗ってスキー道具を満載しているのに、あまり踏み込まなくてもぐんぐん登ってくし、すごくパワフル!」

平瀬:「たしかに。『雪道だから』って不安がなくて、普段とあまり変わらない感覚で運転できている気がします」

 

手元のダイヤル1つで駆動モードの切り替えが可能

 デリカD:5が採用している「電子制御4WD」は、単に駆動力を4輪に均等に伝えるパワフルなだけの4WDではありません。ドライバーのハンドル操作やエンジンのトルク、さまざまなセンサーが車両の走行状況を判断し、全てのタイヤのグリップ力を最大限確保できるようにコントロールしてくれる“賢い4WD”なのです。滑りやすい雪上はもちろん、夏山のガタガタの林道や砂浜など、アウトドアのいかなる過酷な状況下でも安定した走りをサポートしてくれます。

 さらに、深い雪や砂浜にはまってしまった時は、ダイヤルを「LOCK」にセットすれば、より後輪に駆動配分されるので「4WDオート」以上に強力な直進性、走破性を発揮します。

 

平瀬:「このあたりはひと晩で1m近く積もることもあるので、ホテルの駐車場ではまってしまう車もいるんです。そんな時にこのLOCK機能があれば、難なく脱出できそう」

慣れない雪道のドライブをサポートしてくれるさまざまな機能が安心を与えてくれます

 しかも、スリップや急にハンドルがとられた時に車両の不安定な動きを抑制する「ASC(アクティブスタビリティコントロール)」も搭載されており、優れた走行安定性をサポートします。

 また、スリップを自動で感知してブレーキをかけ、エンジンやトランスミッションをコントロールする「トラクションコントロール機能」も搭載。雪道での運転でも安全性や安心感をもたらしてくれる機能です。

-10℃を下回るコンディションの中でも、普段と変わらぬドライブ感が得られました

平瀬:「かなり雪が降ってきたけど、視界が悪いこと以外は普段と変わらない感覚で運転できるのがすごいですね。特に雪道に慣れていない方にとって、雪が降ってきても『普通にドライブできること』って大事だと思う」

大野:「たしかに、いつもと違うって気持ちになるとすごく疲れてしまうかも。色々な安全機能が搭載されていることも、気持ちに余裕を生んでくれますね」

平瀬:「スキー場に着く前に疲れちゃうなんて嫌だもんなあ」

たっぷりと最低地上高をとったボディ形状は深い轍をものともしません

 スキー場が近づくにつれ、あたりの森は白さを増し、雪も轍も深くなり始めました。朝イチのまだ車もまばらな駐車場は除雪が入っていたものの、除雪がかかっていない部分との間に大きな段差が……。しかし、最低地上高が185mmと非常に高く、アプローチアングルも考慮されたボディ形状のデリカD:5は、この段差をものともしません。

 

大野:「彼が乗っている前のモデルのデリカも、この部分はかなり特徴的で便利です」

平瀬:「俺、一度、スキー場の駐車場でこの段差に乗り上げて、亀状態になってしまったことがあるんですけど、あれは抜け出すのになかなか苦労しました……」

午前中は軽く足慣らし

 たまたま駐車場で隣あった知り合いのスキーガイドさんも、なんとデリカD:5に乗っていました。挨拶もそこそこに、滑りの準備を進めながら最新モデルの乗り心地や、最近の山のコンディション情報を交換し合う2人。

 朝一番のゴンドラに飛び乗り、気持ちのいいノートラックの斜面をいただきます!

早速息のあった滑りを見せる2人。さすがのパフォーマンス!
雪道でも安心安全な走りをサポートする電子制御4WD

 

■スキーに使いやすい車の条件2「座席と荷室のユーティリティ性」

午後からの積雪予報に期待が高まる

 午前中の1セッションを終え、道具を片付けながら2人の話題は、自然と座席と荷室のユーティリティ性へ。

 夏のアクティビティに比べて、スノーアクティビティは必然的に荷物が多くなります。特にスキーヤーにとって、スキー板やストックなどの長物をどう積むかは永遠の課題。さて、その点、デリカD:5はどうでしょう。

使い方に合わせてアレンジできる広々とした荷室。写真は8人乗り仕様

平瀬:「僕は新作のテストを兼ねて滑りに出かけることが多いので、最低でも3本くらいはスキー板を積んでいく。僕らが嗜好するバックカントリーを滑るスタイルは、新雪を滑るためにゲレンデ用より長い板が必要になります。それを中積みできるくらい荷室に長さがある車って、案外選択肢が少ないんですよ。これはスキーヤーならではの悩みではないでしょうか」

大野:「たしかに。スキーヤーにとって『180cm』が入るかどうかが、1つの基準になるかも。年中、遠征や旅が多い生活だから、彼のデリカは車中泊仕様にしているんだけど、大柄な男性が足を伸ばして寝られる長さの車って最近は多くないみたいですね」

 

 デリカD:5は、乗車人数や積載する荷物の量や大きさに合わせて、車内のレイアウトを自在に変えられるのも魅力の1つ。3列目のシートを左右にはね上げることで、長さのあるスキーも車載が可能になり、使い方によっては車中泊にも対応します。

雪が降る中で準備することを考えると、スキー板も中積みできるに越したことはない

平瀬:「試しに、2人で遠くに滑りに出かける想定でいろいろな道具を積んでみたけど、小物は天井から吊るせるし、まだまだたくさん積めそうな雰囲気がある」

大野:「遠出する時はスキーを何本か積みたいだけじゃなくて、スノーボードやスケートボード、サーフボードも持っていくんで、私にとって荷物の積載量は最重要事項。私みたいに欲張りなスキーヤーにはこの荷室のサイズ感はありがたいですね」

降りたてのパウダースノーを全身で味わう平瀬さん
ふかふかの新雪をじっくり味わうような大野さんの深いターン

 大野さんほどではなくても、たくさん板やウエアを積んでおけると、雪のコンディションやスキー場に合わせて道具を変えたり、濡れたウエアを着替えられたりと、メリットがたくさんありそうです。

 さらに雪が降り積もり始めた午後になると、2人は新雪向きな道具とセッティングにチェンジして、2ラウンド目へと向かいました。

ゲレンデ内の起伏も平瀬さんにとっては絶好の遊び場
多様性溢れるラゲッジスペースはスキーヤーの強い味方