■浅間山を眺めながら駅弁を楽しむはずが……

 最初は、しなの鉄道の信濃追分駅のホームにある待合室で食レポを試みた。ここは、しなの鉄道の最高所駅で海抜955メートル。JRを除いた普通鉄道では最も標高が高い駅でもあり、ホームから雄大な浅間山が望める。

氷点下の信濃追分駅でお目当ての駅弁を開け、この表情!
しなの鉄道の最高所駅

 美しい景色を眺めながら駅弁を食べようと、軽井沢駅の売店で駅弁を購入して向かったものの、この日は日中でも氷点下という真冬日。あまりの寒さにここで食べるのは断念して、しなの鉄道の軽井沢駅構内にある「待合室」でいただくことにした。2022年2月、当時連載していたWEBサイト「TABILISTA」の取材だった。

信濃追分駅でのレポートを断念し、駅弁を持って軽井沢駅へと引き返す 

 軽井沢といえば避暑地として有名な観光地、夏には大勢の観光客でにぎわう。だが、訪れたのは2月。極寒の軽井沢駅に人影はまばらだった。

しなの鉄道の軽井沢駅ホームにて 

 しなの鉄道は長野県を縦断する第三セクターの鉄道だ。軽井沢から篠ノ井までは「しなの鉄道線」、長野から妙高高原までを「北しなの線」といい、篠ノ井から長野までの区間はJR東日本の篠ノ井線に乗り入れている。

 しなの鉄道の軽井沢駅舎は長野新幹線(現在は北陸新幹線)開業時に取り壊された国鉄時代の旧軽井沢駅舎を復元したレトロでおしゃれな空間だ。歴史的価値を持つ駅舎記念館を軽井沢町から借り受け、軽井沢らしさを醸し出す外観や内装の上品なイメージはそのままに、懐かしくて新しい駅として生まれ変わった。

しなの鉄道の軽井沢駅前にて

 駅舎の2階には、しなの鉄道の観光列車「ろくもん」の出発前・出発後の時間を過ごす専用の待合室がある。旧軽井沢駅舎記念館の貴賓室を利用し、当時の貴重な部材はそのままに、雰囲気に合わせて水戸岡鋭治氏がデザインした家具が配置されている。

しなの鉄道軽井沢駅舎
しなの鉄道軽井沢駅舎2階にて
駅舎の2階、「ろくもんルーム」にて

 1階には改札口と待合室があり、信州食材をふんだんに使った軽井沢イタリアン「Primo fito」も併設されている。

改札口にストーブが置かれているのも寒冷地ならでは

 そして、このステキな駅の待合室でさっほーが食べたのが「峠の鶏もも弁当」なのだ。YouTubeの動画では「玄米弁当」とともに食レポをしている。以前は横川駅でも販売されていたそうだが、現在は、駅での販売は軽井沢駅のみとなった。1日3個限定という激レアな駅弁だから、事前予約が必須だ。

1階の待合室!