■【浅間連峰西部・湯ノ丸山】浅間連峰の山々を端から眺められる大迫力の展望地
浅間連峰の西側に位置する湯ノ丸山は、群馬県嬬恋村と長野県上田市・東御市とにまたがる県境の山だ。2,101mの山頂を起点に尾根は三方に分かれ、それぞれ異なる展望が本当に素晴らしい。これを見るために、やはり毎年のように通ってしまう。
湯ノ丸山の山名由来もよくわからない。これも漢字から推測すると、お湯に恵まれた山ということだろうか。丸とは古来「山」を意味する言葉で、日本各地に○○丸という名の山がたくさんあるほど。とくに山梨県に顕著だ。地図を眺めてみると、湯ノ丸山を含む浅間連峰の周辺には温泉地が多く、そうしたことが由来になっているように思う。
個人的に、このあたりなら鹿沢温泉紅葉館に立ち寄りたい。江戸時代、傷を負った鹿が癒していたところを発見されたのがその名の由来と伝わる。そうした伝承だけでも身体によさそうに感じるけれど、お湯はなかなかに熱い。じっくり長く浸かることはできないものの、冷え切った身体を瞬時に温めてくれる。まるでサウナのような爽快感。
登山口は標高1,732mの地蔵峠からで、いささか軽めのスノーハイク。こちらも軽アイゼンとトレッキングポールは最低限必要な装備。雪の状況によっては12本爪の本格的なアイゼンやスノーシューが必要な場合がある。
スキー場の脇から登りはじめて、初夏のレンゲツツジで名高いツツジ平で山を見上げると、真っ青な空にでーんとした山容が映える。登って見ると、山頂がふたつあることに気がつくだろう。北峰はわずかに低く標高2,099mで、最高地点の南峰とともに双耳峰の構えをとる山だ。
注目したいのは、その隣にそびえる烏帽子岳も双耳峰のような形をしていること。厳密には偽烏帽子とも呼ばれる小烏帽子岳と、標高2,066mの烏帽子岳なのだが、隣り合う湯ノ丸山とともに南北に頂をもつ山容をしているところが、なんとも面白い。
浅間連峰には、ほかにもいくつかの山がある。いずれも雪の季節は格別な眺めを味わうことができるし、雪の良さも最高だ。季節が変わると花の名山としても名高い。一年を通じて通いたくなる山域だから、ぜひ冬山の魅力も味わってほしい。
<低山トラベラー厳選。浅間連峰周辺の立ち寄るべきスポット>
・【温泉】黒斑山の帰りなら、登山口が目の前の「高峰高原ホテル」が定番
・【温泉】湯ノ丸山の帰りなら、熱めの源泉掛け流し「鹿沢温泉紅葉館」が◎
・【食事】メニューが豊富な「レストラン車留夢 (シャルム)」は鉄板
・【食事】洋食なら「ノルウェイの森」のハンバーグかパスタが好み!
・【ショップ】佐久のアウトドアショップ「FOREST BASE」が気になる!
・【次点】軽めの雪慣らしなら高峰山も◎