■すぐにでも真似したい、雪かきテクニック

 雪かきには、さまざまなテクニックがあります。一つは雪質に合わせてスコップを変える方法。もう一つは雪かき対象エリアに対し、戦略を立て効率よく作業することです。

 柔らかく軽い雪は、すくえる面積の広い用具で作業効率をあげ、硬い雪には鉄製スコップを使用し無駄な体力を使わないように心がけます。面倒でも、状況に合わせてスコップを使い分ける癖をつけましょう。

 戦略例としては「1箇所に集めてからスノーダンプで運ぶ」や「スコップとスノーダンプのエリアを事前に決め、投げ入れるエリアの雪かきを先に行ない、運ぶエリアを後にする(先に体力が必要なものを行なう)」といった感じです。まずは考えてから動くのがポイントです。

 体のポイントとしては、大きな筋肉を使う意識をもちましょう。例えば、スコップで除雪する場合、スコップの柄の部分を持つ前の手の向きを下向きにするだけで、背中の筋肉が使いやすくなります。

 このテクニックをひとつとっても、すぐにはピンとこないため今までの使い方に戻ってしまう方を見かけますが、コツが掴めると手のひらの向きを状況に合わせて使い分けられるようになります。

手のひらが上向きのとき(左)は前方、手のひらが下向き(右)のときは体横方向に投げるイメージにすると、背中の筋肉の使い分けがイメージしやすい(撮影:森脇俊文)

 さらにお腹に力を入れ、足腰の力も使って大きい筋肉を使えるようになれば、今までよりもスコップにたくさん雪を乗せても、体へのダメージが少なくて済むようになります。

 スノーダンプを押す場合も同じです。この結果、効率よく短時間で作業でき、体へ与えるダメージも最小限度に抑えることができます。

 お腹に力を入れ、足腰からの力を除雪器具に伝えることを意識することが大切です。

■体にやさしい雪かきのポイント

・天気予報をマメにチェックし、雪かき時間を長くとりゆっくり行なう。
・確保した時間の中で、重すぎない量で行ない、腹筋を意識する。
・効率のよい体の使い方や、戦略を立てることによって除雪時間を短くする。

 雪が降り始める季節になった時、この記事を思い出していただければと思います。皆さんの腰への負担が減り、雪かきによる冬場の運動不足解消ができることを願っています。