もう少しで今年も終わり、間もなく新年を迎える。お正月のトラディショナルカードゲームといえば坊主めくり。でもインドアで札をめくっているだけではもったいない。そこで、公園で葉っぱの坊主めくりにチャレンジしてはどうだろうか? たっぷり積もった落ち葉をめくると、そこには国蝶オオムラサキやゴマダラチョウの幼虫が。「イモムシ」のイメージを一新するキュートな彼らに会いに行こう。
■夏の雑木林を彩ったチョウたちは今……
夏の雑木林の主役といえば、カブトムシやクワガタムシなどの甲虫類。そして、樹液に集まる大型のチョウ類もそれに加わる。特に、オオムラサキやゴマダラチョウなどの中・大型タテハチョウは、その大きさと色彩ゆえ 他のチョウとは全く違うオーラを放っている。
暑い夏が過ぎ、冬がやってきた今、夏を謳歌していた彼らはどのように生活しているのだろうか。
オオムラサキやゴマダラチョウなどが集まるのはエノキだ。成虫はエノキの葉に卵を産む。それは、幼虫がエノキの葉を食べて育つからだ。晩秋から冬にかけてエノキが落葉すると、幼虫たちは、幹を伝って地面に下りて落ち葉の裏で越冬する。そこは、彼らにとってふかふかの布団のような安住の場所なのだろう。
■エノキを探しに公園へ
樹木に詳しい方をのぞけば、多くの方はエノキを見分けるのは難しいのではないだろうか。ならば、自然が比較的残されている公園に行ってみよう。なぜなら、公園には、樹木札があるからだ。
エノキは、大きな公園なら必ずあるといっても過言ではない、雑木林には欠かせない樹木である。榎台・榎が丘・榎橋など、各地に榎(えのき)の名がついている場所は数多い。
樹木札を頼りにエノキに巡り合えれば、目的の幼虫に出会える確率は高まるはずだ。しかし、エノキの木を見つけたからといって、歓喜のあまりその根元に突進するのは厳禁。そこは、オオムラサキやゴマダラチョウたちの越冬エリアであるからだ。