博士さんは、(名前通りの博士です)ラジオを聴いて力になりたいと、言ってくれた方だ。お二人とも初めましてにも関わらず、私の言うことをまったく疑う素振りがない。普通は初対面ならば「この人はどんな人だろう?」と様子をうかがうものだけど。こちらが恐縮してしまうほど二人ともやる気満々だ。
佐藤さんからは小型の太陽光発電+蓄電池システムの一部無償提供を、川合さんからも太陽熱温水器本体はモニターになってくれるのであれば格安、もしくは無償提供できるかもしれないとの提案をいただいた。そして組立はお二人とも小屋まで来てくれると言うのです!!
こんなふうに、行ったこともないような山奥の、まだ誰かもよくわからぬ私を信じて力を貸してくれるなんて。さらにさらに、斎藤さんは記事になるか朝日新聞の社内稟議にかけてみて、OKが出たら「ほくほく」チームで小屋開き前に作業と取材を兼ねて小屋にやってきてくれるという話になった。
■太陽熱温水器が山にやってきた!
最大の問題は、太陽熱温水器を山小屋にどうやって設置するか。冬季の積雪は1m以上、11月から7月の小屋開きまでは無人の避難小屋になるため、その期間は片づけられるように地べたに設置することになった。
しかも、小屋の建つ場所は、国立公園内のため、杭を打つのも、大きな物を置くのも許可がいる。太陽熱温水器は総重量約100㎏以上。人力で運ぶことはできないから、ヘリで上げるしかない。
ヘリで荷揚げする日までに環境省と長野県の2ヵ所から許可を得ることが可能なのかまったくわからない状況だったが、そこはポジティブが売りの私たち。
「エコ化を進めることに許可がおりないはずはない! むしろ、この取り組みを他の小屋の人たちにも知ってもらい、エコ化のきっかけにしよう」と、プロジェクトが始まったのでした。