そろそろスキーの予定を立てている方も多いのではないでしょうか?  筆者自身はウィンターシーズンに10回ほど車でスキーに行きますが、後部座席か助手席がメインの女性です。自分で運転こそしませんが、雪道での運転の難しさや危うさは経験してきました。

 昨年は、凍った橋の上で後続車に緩やかに追突され、大きな事故、ケガにはなりませんでしたが、警察などの手続きにより滑り始めが午後になってしまったこともあります。普段は目立たないので意識がいきづらい“タイヤ”。しかし皆の命を運ぶクルマの縁の下の力持ち“タイヤ”って、実はとても大事ですよね。まさにこれからやってくるスキーシーズンに備えて、基礎知識を勉強したいと思います。

ブーツに羽が生えたロゴが印象的なグッドイヤー

 今回は、アメリカ生まれのタイヤブランド「グッドイヤー」に色々と教えて頂きました。グッドイヤーは、124年の歴史があり、かつてF1レースの公式タイヤとして採用され、過去最多の勝利数を現在も保持するタイヤの老舗ブランドです。タイヤ初心者の私に優しく教えて下さったのは、日本グッドイヤー株式会社マーケティング部の髙木部長です。

グッドイヤーマーケティング部の髙木部長と

■タイヤの種類について

それぞれのタイヤの溝に注目してみてください

●1. 夏タイヤ(ノーマルタイヤ)

 “夏”という言葉がついていますが、夏しか走れない訳ではありません。いわゆる乗用車を購入したときに、基本装備として付けられているほとんどのタイヤが夏タイヤです。夏タイヤは、乾いている道と濡れた道に強い特徴があります。タイヤには縦にしっかりとした深い溝が彫られていて、この溝により雨の水を外に逃がす排水性が高まるとのこと。また、細い横に走る溝は、道路との摩擦により発生する騒音を抑える効果があるそうです。静かなドライブを楽しむことができますね。

●2. スタッドレスタイヤ

 冬になるとよく聞くスタッドレスタイヤは、雪道や凍っている道でも滑りにくいタイヤです。タイヤを見ると、四角いブロックが多数並んでいます。このブロックがしっかり雪を噛み、滑ることなく前進、停止することが出来るのですね。雪道を歩く時の靴を想像してみてください。ソールの裏がツルっとしているものより、ブロック状のものの方が滑りにいと思いませんが。タイヤにもそれと同じことが言えます。

 その昔、雪道を走行するための「スパイクタイヤ」というスパイク付きのタイヤが存在していましたが、コンクリートの道路を傷つけてしまうため、日本国内では販売が禁止になったそうです。スタッドレスタイヤの名前の由来は、文字通り、「スタッド=鋲(びょう)」が「レス=ない」というところからきています。

●3. オールシーズンタイヤ

 オールシーズンタイヤは、日本では2016年にグッドイヤーがサイズ展開を大幅に拡大したことで普及が急速に進んだ、まだ新しいジャンルのタイヤです。

 乾いた道や濡れた道に加え、状況に寄りますが雪道も走れるという汎用性の高さからオールシーズンという名前が付いています。タイヤを見るとVの字状に深く溝が入っています。この溝により、泥などのぬかるんだ道やシャーベット状の雪、新雪が積もった道でも走れて滑りにくいという性能に繋がっています。

雪の排出性を高める構造によりグリップ力が上がる