■火を止めるタイミングはいつ?

沸騰したら火を止める

 湯せんの効果が明らかになったところで、いよいよ実践であります。必要なのは、缶詰よりもひとまわり大きいクッカーだ。例えば、今回のやきとり缶はサイズが小さいので、シェラカップがぴったりだった。缶詰に対してクッカーが大きすぎると、水も燃料も余計に使うことになるので「ひとまわり大きいこと」が大切。

 熱源は各種ストーブ、バーナー、焚き火など何でも構わない。クッカーに缶詰を入れ、全体が浸る量の水を入れてから火に掛ける。もっとも重要なのは、“沸騰したら火を止める”ということ。焚き火の場合はクッカーを火から降ろせばいい。

沸騰したまま放置はNG

 くれぐれも沸騰後も火に掛け続けるのは避けて欲しい。缶内面のコーティングが溶ける心配はないが、内圧が高まってフタがふくらみ、開いてしまう恐れがある。現代の缶詰はほとんどがイージーオープン式で、フタに切れ目が入っているから、そこが破れる可能性があるのだ。

 かといって、あらかじめフタを開けてから湯せんすると、中身が温まるまでかなり時間が掛かる。なので、缶詰はフタを開けずに湯せんし、沸騰したら火を止めて(あるいは火から降ろして)、3〜5分置いておく。その間の余熱だけで十分温まるのであります。

■引き上げるのには道具を使うと安全

マルチツールのペンチが便利

 さて、温まった缶詰を湯から引き上げる時には道具を使った方が安全だ。トングや穴あきおたまがあればいいが、マルチツールに付いている細身のプライヤーも使いやすい。その場合、缶詰はあらかじめつまむ部分を上にしてから湯せんしよう。