■ロードバイクがオススメだが、ゆっくり走るならクロスバイクもいい
田辺市には、2004年に世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部でもある熊野古道中辺路(なかへち)を大動脈に、東端には熊野三山の1つでもある熊野本宮大社がある。熊野速玉大社、熊野那智大社と合わせて、昔から人々の熱い信仰に支えられたパワースポットである。
これらを繋ぐ国道311号線や168号線は、信仰の道「熊野古道」に沿ってできた道路。無心になってペダルを踏んでいるだけで不思議と気持ちが落ち着いてくる。古くから神社仏閣が多い分、むやみやたらな観光開発がなく、手付かずの自然が残っている。どこも車通りは少なく、山間部は信号もほとんどゼロ。雪深い地域と違って舗装路もきれいなので、自転車巡礼をしない手はない。
最高所は、龍神岳の1,382m。比較的低山の連続だが、アップダウンが続くので、体力がある人はロードバイクが一番オススメ。山間部にコンビニや商店は非常に少ないため、日帰りで走るなら中上級者向けといえる。
初心者なら、近年アメリカでトレンドのグラベルバイク(太めのブロックタイヤを付けた自転車)か、クロスバイクを選び、行動食を買い込んでのんびり進むほうがいい。宿泊すれば、ルートの自由度はさらに広がる。山間部の大塔村エリアにある「百間山渓谷キャンプ村」や「大塔青少年旅行村」は、手ぶらでもキャンプ道具をレンタルできたり、コテージに宿泊できたりするので、利用するのも手だろう。
私は体力がある方だが、今回の旅ではツーリングだけでなく、キャンプ、渓谷の散策、パックラフトまで贅沢に楽しむ予定だったので、「YAMAHAのYP」の電動アシスト自転車をレンタルした。料金は1日3000円と破格だ。
2日あれば、田辺市の市街地エリアと大塔村エリアを十分楽しめる。田辺市内を中心に巡るのであれば、田辺市観光センターにもレンタサイクルはある。