■苦(九)労を流すといわれる「9つの外湯巡り」

一番湯「初湯」、効能は胃腸(撮影:仲地宏樹)

 渋温泉街には泉質や効能の異なる9つの外湯(共同浴場)があり、宿泊者は無料で湯巡りを楽しめる。

「巡浴祈願手ぬぐい」スタンプラリー感覚で九湯巡りを楽しもう(撮影:仲地宏樹)

 各浴場にはスタンプが置いてあり、各旅館で購入できる巡浴祈願手ぬぐいに押すためのもの。9つすべてに受印し、最後は「渋高薬師」に祈願すれば満願成就するという。

■冬季限定、温泉に入るニホンザル「スノーモンキー」

雪が降る中、温泉で温まるニホンザルの親子(写真提供:地獄谷野猿公苑)

 渋温泉からバスに揺られて約4分、スノーモンキーパークバス停で下車し、約35分ほど山道を歩くと「地獄谷野猿公苑」にたどり着く。山道は階段や未舗装の道を歩くため、必ず歩きやすい靴を履き、怪我をしない様に十分注意しよう。

 ここでは一年中、人間と猿を区切る柵のない、より自然に近い状態で野生のニホンザルを観察できる。冬の地獄谷は、最低気温が-10℃を下回るほどの過酷な環境。特に天気が悪く冷え込む時に、厳しい寒さを凌ぐためにニホンザルたちは温泉に入る。長野冬季オリンピックが開催されたときには、大会関係者や報道関係者など、世界中から多くの人が訪れ話題となり「スノーモンキー」として世界的に有名になった。

 温泉街や宿の散策、九湯巡りにスノーモンキーなど、楽しめる場所がたくさんあり、1泊2日の滞在では時間が足りないと感じるほどだ。

●地獄谷野猿公苑

・住所:長野県下高井郡山ノ内町大字平穏6845
・電話:0269-33-4379

・ホームページURL:https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/
※営業日時はホームページよりご確認ください

 レトロで素敵な渋温泉に酔いしれたい方は、ぜひ時間をたっぷり用意してから訪れてほしい。効能の違う外湯の中で、お気に入りの温泉を見つけたり、湯冷しに夜の散歩へ出かけるのもいい。

 苔ランプやライトアップされた金具屋を眺めるのはもちろん、地ビールの置いてあるちょい飲みスポットなどもあり、夜も楽しめる。渋温泉に訪れば、心も体も癒されること間違いないだろう。

 

※この記事の情報は2022年11月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。