秋も深まり、木々もほんのり色づき始めた。これからは紅葉狩りのシーズンだが、実は紅葉狩りのシーズンの前にススキのベストシーズンがある。

 今回紹介するのは、西日本屈指のススキの名所、砥峰(とのみね)高原である。

■砥峰高原とは

とのみね自然交流館の前にある砥峰高原撮影スポット(撮影:野口宣存)

 砥峰高原とは兵庫県神崎郡神河町にある、標高800~900m地帯に広がる西日本屈指のススキの名所。

 NHK大河ドラマ『平清盛』や 『軍師官兵衛』、映画『ノルウェイの森』や『燃えよ剣』のロケ地としても知られる。また写真映えするスポットが多いことから、ウェディングの記念撮影で訪れる人も多い。

 砥峰高原は元々、茅ぶき屋根に使うススキを刈るための茅場であった。今は茅ぶき屋根の家が減り、ススキの需要が減ってしまったが、毎年地元住民により山焼が行われ、ススキが広がる風景は守られている。

■砥峰高原の魅力

高い場所から見下ろした砥峰高原(撮影:野口宣存)

砥峰高原の木道を散策(撮影:野口宣存)

 砥峰高原の一番の魅力は、やはり迫力あるススキの草原である。

 草原は撮る場所によって雰囲気が変わるため、散策しながらお気に入りのスポットを探すのも楽しい。定番のハイキング道をたどり、展望台などの高いところから見下ろすのも良いが、草原を身近に感じられるススキに囲まれた木道を歩くのもおすすめだ。

砥峰高原は湿地帯も多く、池もある(撮影:野口宣存)
砥峰高原にある東屋(撮影:野口宣存)
ハイキングコースに続く砥峰高原の木道(撮影:野口宣存)

 また珍しい高山植物も生えており、植物に詳しくない人でも楽しめるだろう。

 ススキのベストシーズンは10月下旬から11月にかけて。これから砥峰高原はますます彩りを増してさらに美しくなっていく。

砥峰高原にあるとのみね自然交流館(撮影:野口宣存)

 なお冬期は、積雪によっては砥峰高原へ続く道が通行止めになる。

 「とのみね自然交流館」の方によると、2022年の3月末に営業準備のために上がってきた際は、依然積雪が60cm以上も残っていたそうである。雪が積もって通行止めになる前に訪れたい。