■ボルシチって、ウクライナ料理なの？
クッカーに湯を沸かしてから火を止め、缶詰のボルシチとシャシュリック（豚肉のバーベキュー）を入れて余熱で温める。ロシア料理だと思っていたボルシチが、実はウクライナ料理だと知ったのは最近のこと。ロシアにもキャベツと牛肉の煮込み料理があるけど（シチーと呼ばれる）、キャベツはザワークラウトか酢漬けを使い、酸っぱく仕上げるのが特徴だ。
温まったボルシチ缶を開けると、キャベツやビーツ、牛肉などの具がたっぷり入っていて、汁気が少ない。飲むというより“食べる”スープなのだ。ビーツ以外の野菜は高知県産で、牛肉も同県産の「土佐あか牛」を使っている。
シャシュリックは、開けたとたんにスパイシーな香りが立ち昇った。ひと口大にカットされた豚肉とジャガイモが愛らしい。豚肉は高知県が誇る「四万十ポーク」を使っている。
モルコヴニツェ（キャロットケーキ）は、常温でも美味しいことを確認しているので、温めずに開けた。缶の中で生地を焼き上げたベイクドケーキの一種で、スパイスの香りがエキゾチックだ。
ところで、製造を担当した黒潮町缶詰製作所は、7大アレルゲン（卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに）を絶対に使わないというポリシーを持っている。しかしケーキの主な原料といえば卵と小麦、牛乳になる。それらを使わずに製造するのは大変な苦労だったそうだ。
