■天孫降臨をテーマにしたアート作品に触れる

霧島アートの森のアートホール付近にある作品「浮くかたち-赤」(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 霧島神宮に参拝したら、霧島アートの森へも足を延ばしたい。草間彌生や村上隆を筆頭に、国内外の名だたる現代アーティストたちの作品を、なんと入場料320円(一般)で鑑賞できる。

 霧島連山栗野岳の高原を利用した広大な屋外展示スペースには、23点のアート作品がちりばめられている。観賞ルートに沿って巡るのもよし、宝探しのように作品を求めて歩きまわるのもよし。作品の中でも、天孫降臨の地をテーマにした2作品、「べレシート(初めに)」と「イザナミ・イザナギ・アマテラス」は外せない。

 イスラエルのダニ・カラヴァンによる作品「べレシート(初めに)」は、一見何の変哲もない長方形のトンネルのよう。しかし、一歩足を踏み入れると、そこは側面から何層もの光が差し込む別世界。先端まで進むと、眼前には雄大な高原のパノラマが広がる。「神が大地に降りてきたとき、世界はこんなふうに見えたかもしれない」。そんなことを想像させる、圧巻のアート作品だ。

高原のパノラマに、「初めに、神は天地を創造された」の文字が浮かぶアート作品(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 木の葉のざわめきに耳を澄まし、木漏れ日を浴びながら森の小道を散歩していると、人工物ながら不思議と周囲の自然になじんだアート作品が目にとまる。イタリアのルチアーノ・ファブロによる「イザナミ・イザナギ・アマテラス」も、そんな作品のひとつだ。森の中に突如現れる石のモチーフに近づくと、石に刻まれた日本列島を発見する。手で触れてひんやりとした石の質感を味わったり、腰かけて森の空気を吸い込んだり、作品と一体になれるような展示のおおらかさも魅力だ。

「イザナミ・イザナギ・アマテラス」、地面や周囲の竹やぶもアートの一部(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

●霧島アートの森

・住所:鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220
・電話:0995-74-5945

・URL:https://open-air-museum.org/
※営業日時はホームページよりご確認ください