高松琴平電鉄は、香川県内に3路線・60kmを有する鉄道会社。平坦な讃岐平野を走るため、沿線にはトンネルがひとつも無い。にもかかわらず、山と同じ名前の駅が3つもある。
今回は、平らな鉄路の「山の駅」と、その周辺の見どころを紹介する。
■琴電とは
琴電は、高松市中心部から「こんぴらさん」でおなじみの琴平を結ぶ琴平線(高松築港-瓦町-琴電琴平)、高松から海沿いに東に延びる志度線(瓦町-琴電志度)、南東に延びる長尾線(瓦町-長尾)の3路線を擁する。
かつては漢字書きの「琴電」、今はひらがな書きの「ことでん」の愛称で知られている。1978年に高松市で生まれた筆者は漢字書きのほうがなじみがあるため、本稿では「琴電」の略称で統一する。
今回紹介するのは、志度線の琴電屋島(ことでんやしま)駅、八栗(やくり)駅、長尾線の白山(しらやま)駅。琴電屋島駅は言わずと知れた屋島が由来で、八栗駅は霊場で知られる八栗寺のある五剣山の別名八栗山と同じである。白山駅のそばには白山という富士山そっくりの山がそびえる。
■琴電屋島駅 古い駅舎と山上の新スポット
琴電のターミナル・瓦町駅から6駅目に位置する琴電屋島駅。1929年に建築された歴史ある駅舎が観光客を出迎える。特徴的な台形の屋根は、台状の形をした屋島の山容を模したものだと言われている。
駅から屋島山上(やしまさんじょう)にはシャトルバスが走っている。ただし本数が少なく、運行日が限られているので注意が必要。
屋島山上には、新屋島水族館や四国霊場84番札所の屋島寺などの観光スポットがあるが、今注目されているのは8月にオープンした交流拠点施設「やしまーる」だ。
施設は、全長200mの曲がりくねったガラス張りの回廊でできており、展望スペースからは瀬戸内海の島々や高松市街地を見下ろすことができる。
山麓には、四国四県から33棟の建物を移築復元した野外博物館・四国村ミウゼアムや、釜揚げうどんで有名なうどん店・わら家がある。リニューアルしたギャラリーやカフェもあり、こちらもぜひ散策したい。
・屋島山上交流拠点施設「やしまーる」
香川県高松市屋島東町1784-6
営業時間:9:00~17:00(金・土・祝前日は9:00〜21:00)
定休日:火曜(休祝日の場合は、翌平日)
・四国村
香川県高松市屋島中町91
9:30~17:00(入村受付は16:30まで)
定休日:火曜(祝休日の場合は翌日)
入場料:大人1,600円、大学生1,000円、高校生・中学生600円、小学生以下無料
・わら家
香川県高松市屋島中町91
9:30~18:00(ラストオーダーは閉店30分前)